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陰陽師天魔歸來活動劇情 地獄輓歌⑩前夜(中日雙語整理)

深淵を出ると、魔神軍は士気が高揚して、驚異的な速度で善見城までやってきた。

離開深淵後,魔神大軍情緒高漲,行軍飛快,迅速抵達了善見城。


【魔神】

「阿修羅様がいてくだされば、善見城を攻め落とすなんて楽勝だ!一気に中に攻め入るぞ!我々は真の自由を手に入れる!」

只要有阿修羅大人坐鎮,攻下善見城不在話下!一鼓作氣打進去,我們就徹底自由了!


【阿修羅】

「迦樓羅、何人か選んで、善見城に潛入し善見塔の近くの兵力を調べろ。」

迦樓羅,挑幾個人,進善見城去看看善見塔附近的兵力。


【迦樓羅】

「善見塔ですか?神殿ではなく?」

善見塔?不是神殿嗎?


【阿修羅】

「善見塔は天域の結界を維持する要だ。霊力が流れつく場所でもある。帝釈天が神殿にいるはずはない。戦爭が始まれば、あいつは必ず善見塔の上にある宮殿に現れる。」

善見塔是維繫天域結界的中心,也是靈力輸送的終點。帝釋天不會在神殿等我們,一旦開戰,他只會在善見塔頂的宮殿。


【迦樓羅】

「深淵の崖からも見えるあの白い塔のことですか?しかしそこまで高く飛ぶと、すぐ気づかれますよ。」

就是那個從深淵崖上都看得見的白塔?可是要飛這麼高,很容易被發現。


【晴明】

「私が金翅鳥一族に姿を隠す術をかけよう。そうすれば、陰陽道に通じる者以外は、君たちを見つけられないはずだ。」

我可以為金翅烏一族施以隱蔽之術,除非精通陰陽術之人,否則無法看到你們的身形。


【迦樓羅】

「それでは部下と共に様子を確かめてきます。」

我帶人上去看一看。


迦樓羅は金翅鳥の精鋭部隊を連れ、姿をくらませて、善見城の上空に飛んできた。

迦樓羅率領一支金翅烏精兵,隱蔽身形,飛到了善見城的高空。


【金翅鳥甲】

「迦樓羅様、城近くにある拠點と軍営は全て、位置も兵力も調べつくしました。」

大人,城四面的哨所和軍營,我們都已經摸清了位置和兵力部署。


【金翅鳥乙】

「しかし天候があまりよくありません。黒い雲が宮殿を取り巻いています。いつ雷や雨になってもおかしくありません。」

只是這天色看起來真是不怎麼樣。黑雲壓城,宮殿四周都是流雲環繞,彷彿是馬上就要電閃雷鳴落下雨來。


【迦樓羅】

「ふん、この様子だと、何が落ちてくるか分かったもんじゃないな。行くぞ、暗雲の中心にある白い塔を調べる。」

哼,看這樣子,這天上要落下來的可真指不定是什麼呢。走,隨我去看看這黑雲中心的那座白塔。


金翅鳥軍が善見塔の近くまでやって來た。善見塔は美しい白い玉のようで、雲の中心に高く聳えている。

金翅烏軍來到善見塔外,只見善見塔如同美玉般潔白,高聳入雲,伸入流雲的中心。


【迦樓羅】

「やはり、この善見塔の周りにも結界が張られている。」

果然,這善見塔周圍也佈下了陣法。


【金翅鳥甲】

「皆と一回りして調べました。ここは六つの結界に囲まれていて、塔はちょうどその中心に建てられています。」

我帶弟兄幾個看了一圈,這周圍一共是六處結界法陣,這塔就正好建在中心上。


【迦樓羅】

「分かれて六つの結界に向かえ。私が指示を出すと同時に矢を放て。」

你們幾個分頭去六個結界,等我口令,一同放箭下去。


しかし矢を放っても、術を使っても、善見塔の外にある六つの結界は必ずそれを全て吸収する。

而無論是放箭還是施以法術,善見塔外的六處結界都會將之全部吸收。


【金翅鳥甲】

「迦樓羅様、攻撃を続行しますか?」

大人,可要繼續攻擊?


【迦樓羅】

「……まずい、全員避けろ!」

……不好,全都給我退開!


法陣に吸収された矢と術が突如結界の中から跳ね返され、金翅鳥達を襲ってきた。

只見被吸入法陣的箭和法術突然自法陣中原路折返,朝著金翅烏們襲來。


【金翅鳥乙】

「危なかった!」

好險!


【迦樓羅】

「あの六つの法陣は、攻撃を跳ね返すことができる。深淵の獄のあれと同じだ。全員戻るぞ、これは我々がどうにかできるものではない。」

是六道法陣,能使攻擊折返,和深淵之獄中的那個如出一轍。所有人隨我回營,這不是我們能解決的東西。


金翅鳥達が陣地に戻った後、迦樓羅は阿修羅に法陣のことを報告した。

金翅烏一軍歸營後,迦樓羅向阿修羅報告了陣法一事。


【迦樓羅】

「この法陣は深淵のものと同じです。空を飛ぶ我々でなければ、恐らく道に迷い、善見塔の入り口に辿り著くことすら葉わないはずです。結界の外には、たくさんの兵士が駐屯しています。數だけなら善見城にも負けません。ど派手に暴れると気づかれる恐れがあるので、一旦戻ることにしました。」

這法陣和深淵中的一樣,若不是我們飛在空中,恐怕會迷失在其中,怎麼都到不了善見塔的入口。而結界之外,還有層層兵力把守,不遜於善見城牆上的兵力。我怕動靜太大會驚動他們,就先帶人飛回來了。


【阿修羅】

「善見塔と深淵の獄は表裡一體のようなものだ、同じ法陣を使っていてもおかしくはない。この法陣は既に一度破壊した。もう一度破壊することも、きっとできる。」

善見塔和深淵之獄本就互為表裡,會用一樣的法陣也不足為奇。這陣法我既然能破第一次,自然也能破第二次。


【鬼切】

「しかしこの六つの法陣の本質は力の輪廻で、深淵とも繋がっている……深淵の法陣が破壊された以上、この輪廻も破綻を迎えるべきでは?」

既然這六道陣法本質是力量輪迴,又和深淵裡的相連……深淵裡的陣法破了,這輪迴不就該斷了才對嗎?


【源頼光】

「トカゲの尻尾切りと同じだ。尻尾を切られても、殘りの部分はまだ生きている。もしかするとそれだけではなく、我々が深淵の獄の法陣に注ぎ込んだ力も、この法陣に取り込まれたのかもしれない。法陣の主は手を煩わすことなく、取り込んだ力を使えばいい。」

這有如蜥蜴斷尾,我們切斷了它的尾巴,剩下的部分則自成一體。恐怕還不止這樣,我們在深淵之獄裡向法陣注入的力量,現在也成了這陣法的一部分。陣法的主人無需動手,只是借力打力。


【鬼王酒呑童子】

「今一番肝心なのは、善見城に攻め入ること、その次は善見塔の防衛軍だ。この二つを乗り越えた先には法陣が待ち構えている。善見塔にも仕掛けがたくさんあるだろう。突破するだけなら難しくはないが、頂上に辿りつくのはきっと骨が折れる。」

所以眼前的首要難關,是要打進善見城裡,其次是善見塔的守軍,過了這兩關還要破陣法。善見塔裡想必也是機關重重,雖然走過這一路也不見得多難,但真要到了塔頂肯定是勞心又勞神。


【煉獄茨木童子】

「友が言いたいのは、帝釈天の行動の狙いは、時間稼ぎだということか?彼の善見塔には、我々を全滅させることができるほどの寶物が隠されているのか?」

摯友這麼說,帝釋天這番安排,難道是在故意拖延時間不成?他在這善見塔上,是藏了什麼能讓我們全軍覆沒的寶物嗎?


【阿修羅】

「寶物かどうかは分からないが、切り札であることは間違いないだろう。」

寶物談不上,殺招倒是真的。


【晴明】

「阿修羅様はすでに心を決めたようだ。では帝釈天とその切り札と対決するとなれば、阿修羅様に勝ち目はどのくらいある?」

阿修羅大人似乎心中已有定斷,那麼對上帝釋天和他的這份殺手鐗,阿修羅大人有多少勝算。


【阿修羅】

「十割だ。俺が勝てないなら、この世にやつに勝てる者はいない。」

十成。倘若我不能勝他,世上再沒有人能勝他。


【晴明】

「では、敵軍を撃破する役目は私と鬼王達に任せて、阿修羅様は力を溫存してくれ。善見塔の頂上へ通じる道は私達が切り開く。」

那麼我願與幾位鬼王一同破陣,請你保留實力,讓我們送你上善見塔頂。


【煉獄茨木童子】

「陰陽師、我々を巻き込む気満々だな。」

你這陰陽師,竟開口就拿我們做人情。


【鬼王酒呑童子】

「異議はねえが、條件はある。」

我是沒什麼異議,但是想提個條件。


【阿修羅】

「何の條件だ?」

什麼條件。


【鬼王酒呑童子】

「一緒にここまで戦ってきて、それなりに苦労した。で、お前の口から聞きたい。帝釈天は、一體何のために霊力を集めている?」

跟你走了這麼一路,沒有功勞也有苦勞,我想聽你說說看,帝釋天他收集靈力,到底是想要做什麼。


【阿修羅】

「……帝釈天の本當の目的は、異界にある天人一族の故郷忉利天を召喚し、この世界に降臨させることだ。忉利天が一度降臨すれば、この世界に生きるありとあらゆる生き物、人間も天人も鬼族も、全て忉利天に浄化される。悪念は消え去り、肉體は捨てられ、皆の精神は精神の海で繋がり、一つになる。まさに、池の水に揺蕩う、同じ根を持つ蓮のように。」

……帝釋天真正想要做的,是召喚在異界的天人一族的故土忉利天,降臨到陽界。忉利天一旦降臨,居住在陽界的生靈萬物,人類也好天人也好鬼族也好,都將被忉利天淨化。摒棄惡念,捨棄肉身,精神在精神之海中彼此相連,化為一體。就如同,漂浮在池水中的、同根的蓮花。


【燼天玉藻前】

「ふふ、これは協力するしかないな。人を殺したくても殺せず、逆に人間と一つになるのはまっぴらごめんだ。」

呵,那這個忙還真是讓人不幫不行了呢。畢竟我可不想有朝一日想殺的人殺不成,反而落得和人類一體同心的下場。


【小白】

「今回は小白も玉藻前様に賛成します。」

小白這次贊同玉藻前大人的話。


【阿修羅】

「ならば法陣を突破する役目はお前らに任せる。全員に伝えろ。今夜は四つの部隊に分かれ、それぞれ善見城の四つの城門の外で夜を過ごす。軍の動きは結界で隠す。夜が明けたら善見城を攻め落とす!」

那破陣一事就交託於你們了。傳我命令,今夜兵分四路,分別駐營於善見城四處城門外,以結界隱蔽大軍,明天一早攻打善見城!


翌日の朝、四つの部隊が善見城の四つの城門の前に集結した。善見城の天人の軍隊も既に城門に集い、靜かに交戦を待ち構えている。

次日清晨,四隊人馬已經圍在了善見城四處城門外,而善見城的天人軍也早已列兵城門下,等待交戰。


【阿修羅】

「太鼓が鳴ったら、魔神軍の精鋭は先陣を切って、敵陣に切り込んで天人を蹴散らせ。兵力が分散したら、後ろの部隊は三つの方向から敵を囲め。敵に包囲網を突破させるな。城門を破壊する役目は、鬼兵部に任せる。城に侵入した後、全員城の中心にある善見塔の前で合流する。」

魔神軍精銳在前,戰鼓聲響即刻殺入敵陣,將其衝散。兵力分散後,後續部隊三面圍攻,不許任何人殺出我們的包圍圈。破城門一事,由鬼兵部負責,入城之後,所有人會合於城中心的善見塔前。


【魔神の將校】

「はっ!必ずや阿修羅様のご期待に応えてみせます!」

是!定不負阿修羅大人囑託!


【阿修羅】

「太鼓を鳴らせ!」

戰鼓起!


善見城の四つの方向から太鼓の音が鳴り響く。魔神の前衛軍は、放たれた矢の如く天人の軍隊目掛けて突進し始めた。

善見城四面響起戰鼓,魔神前鋒部隊如同利箭離弦一般朝著天人一族的守軍殺去。


【天人の將校】

「やつらを止めろ!魔神を城の中に入れるな!」

給我攔下他們!絕不能放一個魔神進城!


【天人の兵士甲】

「命と引き換えにしても、善見城を守り抜くぞ!」

誓死保護善見城!


【天人の兵士乙】

「天人一族のために!帝釈天様のために!」

為了天人一族!為了帝釋天大人!


【魔神】

「くたばれ!卑怯な天人ども!全部お前らのせいだ、俺達がこんな姿になっちまったのは!」

受死吧!虛偽的天人!都是因為你們,我們才變成了如今的模樣!


【魔神の將校】

「皆、復讐の時間だ!善見城を攻め落とせ、やつらに血の罰を與えろ!」

諸位,報仇的時候到了!殺進善見城,讓他們血債血償!


【魔神】

「血の罰を!血の罰を!」

血債血償!血債血償!


【天人の兵士甲】

「うわああああ!!」

嗚啊啊啊啊啊!


【天人の將校】

「しまった、陣形が崩れた。」

糟了,陣型亂了。


【魔神の將校】

「今だ、行け!」

是時候了,給我上!


隠れていた魔神が一斉に結界に押し寄せ、天人軍を中に追い込む。

藏匿的魔神大軍一舉衝出結界,將天人守軍向內驅趕。


【天人の將校】

「敵軍がこんなにも多いとは……囲まれてしまった。逃げる場所は後ろにある城門だけか。これは我々の手で城門を開かせる気だ。さもなくば死ぬことになる、か?ふん、させんぞ!例え今日ここで戦死しても、城門は決して開かぬ!うわあああ!」

竟然有如此人數……我們被包圍了。只有身後的城門一條出路,這是要逼我們自己開城門,否則就是死路一條嗎?哼,你們休想!我們今天就是死在這裡,也絕不會開城門!嗚哇啊啊啊!


鬼兵部が混亂に乗じて敵陣に切り込んだ。彼らにぶつかると、周囲の魔神も天人も例外なく吹き飛ばされる。侍の姿の鬼兵部達が、真っ直ぐに城門に迫ってきた。

只見鬼兵部趁亂殺入敵陣,周圍的魔神和天人在它們面前就有如鴻毛般被推搡開。武士形態的鬼兵部們徑直朝著城門走來。


【源頼光】

「意地だけはあるようだ。しかしそれに見合う実力が備わっていないと、ただの虛言でしかない。」

倒是有些骨氣,可惜若沒有實力,也不過是說大話罷了。


【天人の將校】

「打て!全員弓を構えろ、下に向かって矢を打て!」

放箭!所有人拿起弓來,給我向城下放箭!


【魔神】

「うわ!矢が!おのれ、天人め、俺様の盾となり、仲間の矢に打たれて死ぬがいい!」

啊!我中箭了!該死的天人,就讓你給本大爺當擋箭牌,死在自己人手裡吧!


【天人の兵士乙】

「たす……けて……」

救……我……


魔神軍は皆盾代わりに天人の兵士を掲げ、攻撃を防いだ。

魔神士兵紛紛用天人士兵當成盾牌,擋起了攻擊。


【天人の兵士丙】

「うわあああ!」

哇啊啊啊!


【魔神の將校】

「城門の閂はもう破壊した!しかしなぜ開かない!」

城門鎖已經斷了!可不知為何還是推不開!


【源頼光】

「鬼切!中に入って様子を確かめなさい。」

鬼切!進裡面看看是怎麼回事。


鬼切は城門の內部に飛び降りると、城門のところで光を放つ巨大な封印を見つけた。

鬼切跳下城牆內部,只見一處巨大封印在城門上閃閃發光。


【天人の兵士丁】

「これは結界閂だ、帝釈天様の手によるものだぞ。貴様らのような悪鬼には、絶対に解けない!」

是結界鎖,帝釋天大人親手所制,你們這群惡鬼,絕無法解開!


【鬼切】

「解けないと言うなら、斷ち切るまでだ!」

解不開又如何,我斬斷就是!


鬼切は全力で本體の刀を振り下ろし、扉の封印を斷ち切った。すると結界が粉々に砕け、同時に城門も鬼兵部に突破された。四つの城壁の結界閂が同時に壊れ、魔神軍は善見城の中に侵入することに成功した。

鬼切揮著本體刀朝著門上的封印用全力斬去,結界應聲碎裂成無數片,城門頓時被鬼兵部衝開。四面城牆的結界鎖同時碎裂,大軍從四面城門殺入善見城中。


【迦樓羅】

「長年を経て、まさかもう一度この善見城を目にすることができるとは。」

時隔多年,沒想到我也終有機會再看一眼這善見城。


【阿修羅】

「迦樓羅、計畫通りに動け。」

迦樓羅,按計劃行事。


【迦樓羅】

「はっ!」

是!


阿修羅が軍を率いて、合流するために善見塔に向かっている時、迦樓羅は金翅鳥部隊を連れて一足先に善見塔の下にある護衛所まで飛んできた。

阿修羅率軍前往善見塔處會合之時,迦樓羅則率領金翅烏軍先行自空中飛向善見塔下的守衛所。


【迦樓羅】

「火薬に火をつけて投げるぞ!」

點燃火藥丟下去!


【金翅鳥】

「はっ!」

是!


【天人の兵士甲】

「うわあああ!空から攻撃が!」

哇啊啊啊!有攻擊從天上來!


【天人の兵士乙】

「上だ!金翅鳥一族はまだ生き殘っていたのか?」

看天上!金翅烏一族居然還活著?


【迦樓羅】

「はははは!驚いたか、貴様らの法陣は地面にいる兵士を阻むことはできるが、空を飛ぶ我々には効かない!」

哈哈哈哈!沒想到吧,你們那六道陣法控得住追兵,可卻管不了天上啊!


【蘇摩】

「うろたえるな!これは金翅鳥がよく使う攪亂の策に過ぎない、火薬が盡きればすぐに撤退する!歩兵隊は列に並び、騎兵隊は馬に乗れ!魔神軍を迎え撃つ用意を!」

不得自亂陣腳!不過是一群來擾亂軍心的傢伙,這是金翅烏最慣用的計策,火藥用盡就會撤退!步兵列隊,騎兵上馬!準備迎擊魔神大軍!


【迦樓羅】

「お前だったのか。昨日はちっとも気づかなかった。知っていたら挨拶だけでもしていたのだがな。」

怎麼是你?昨天沒看清楚,早知道我肯定留下來跟你先打個招呼。


【蘇摩】

「魔神軍は善見城の守備に詳しいようだけれど、それはあなたが調べたからでしょう。やはり阿修羅様に帰順したのね。」

魔神一軍對善見城防事佈局瞭若指掌,是有你探路吧,你果然已歸順了阿修羅大人。


【迦樓羅】

「そんなに怖がるな。既に話を通してある、阿修羅様は今日は手出ししない。」

別怕別怕,我們私底下說好了的,今天阿修羅大人不出手。


【蘇摩】

「仮に阿修羅様が自ら先頭に立っても、今日は簡単に見逃すことはできない。妹の毘瑠璃が塔を守っている。誰が來ようと決して塔には近づかせない!」

就算阿修羅大人親自出手,我今日也只怕是多有得罪了。妹妹毗琉璃守在塔上,我絕不能放任何人上塔傷害她!


【迦樓羅】

「はははははは!お前たち姉妹は、相変わらず騙しやすいな!お前の言う通りだ、この迦樓羅は確かに命令に従い攪亂しに來た。でも気が変わった。阿修羅様は亂暴者だし、お前と戦わせるのは忍びない。やはりここはこの迦樓羅が相手をしてやる!」

哈哈哈哈哈哈!你們姐妹,還是這麼好騙!你說的不錯,我迦樓羅確實是奉命來嚇唬人的,不過我改主意了。讓你對上阿修羅大人可怎麼行,他那麼不憐香惜玉,還是我迦樓羅大人親自來對付你吧!


迦樓羅が率いる金翅鳥の部隊は、急に進行方向を変え、蘇摩の騎兵隊に襲い掛かった。

迦樓羅率領金翅烏一軍,突然調轉方向,朝著蘇摩的騎兵隊殺來。


【蘇摩】

「矢を放て!」

放箭!


善見城の軍隊と比べ、瑠璃城の軍隊の弓術は段違いに上で、同時に三本の矢を放つことができる。瞬く間に、數人の金翅鳥が矢を受け、空から落ちた。

琉璃城的守軍不同於善見城,騎射功夫遠在他們之上,一弓可以同放三支箭。眨眼間就有幾隻金翅烏中箭跌落雲端。


【金翅鳥】

「迦樓羅様はなぜ急に考えを変えたのです?我々の少ない人數では、真正面から戦っても勝ち目はありません。」

大人為何突然改主意,我們人數在他們之下,硬碰硬是不行的。


【迦樓羅】

「考えを変えてはいない。彼女が策に乗らないからもう一度鎌をかけただけだ。攪亂作戦を続行し、敵を四つの方向に誘導するぞ。主力部隊はもうすぐ來るはずだ。そっちに誘導すれば、法陣を守る者はいなくなる。」

沒改注意,她不上當所以再騙她一輪罷了,我們還是佯攻,把人往四個方向帶。大部隊馬上就來,領他們去撞個滿懷,陣法就沒人守了。


【金翅鳥】

「さすがは迦樓羅様です。」

大人果然高明。


【迦樓羅】

「ただし、あの首領は俺の獲物だ。」

不過,領頭的那個留給我。


【金翅鳥】

「はっ!」

是!


金翅鳥一族は命令に従い蘇摩軍の上空を飛び交い、わざと目立つように善見塔の周りを三週回った。金翅鳥達は強攻作戦を実行する振りをして、ぎりぎりの距離を維持しながら外に飛んでいく。

金翅烏一族得令後在蘇摩一軍頭頂飛舞一陣,欲蓋彌彰地圍著善見塔繞行了三圈。又裝作硬攻俯衝而下,保持若即若離的攻勢邊打邊往外飛。


【迦樓羅】

「どこに行く気だ?お前の相手はこの俺だ。戦わないならお前の妹に會いに行くぞ。」

往哪跑,你的對手是我,不然我就只好先去和你妹妹敘舊了。


【蘇摩】

「卑怯者!食らえ!」

你這無恥之徒!看招!


迦樓羅は速度を落とし低空を飛びながら、挑発し続け、蘇摩が追撃するように誘導している。

迦樓羅降低速度飛在低空,並不斷挑釁,引蘇摩追擊。


【迦樓羅】

「なぜそんなに私のことを憎んでいる?別に何かしたわけでもないのに。竜巣城と瑠璃城は仲のいい隣人のようなものだ。それなのにどうして挨拶もなしに殺しに來る?」

想不通你怎麼就這麼恨我,想當初我分明也沒把你怎樣。龍巢城和琉璃城這麼多年的老鄰居,你不請我做客就算了,還喊打喊殺的。


【蘇摩】

「瑠璃城は貴様のような恥知らずの輩を隣人だとは思っていない!」

我琉璃城沒你這樣恬不知恥的客人!


【迦樓羅】

「何だ、それが命の恩人に対する態度か?」

哪有你這麼說自己救命恩人的?


【蘇摩】

「命の恩人?瑠璃城を陥落させ、瑠璃城の民を傷つけた輩が恩人だと!そのうえ、私の唯一の妹毘瑠璃に傷を負わせ、私を魔の巣窟のような竜巣城に閉じ込めた。一體何の恩がある!?」

救命恩人?你害我琉璃城失守,傷我琉璃城百姓!還打傷我唯一的妹妹毗琉璃,將我困在異族魔窟龍巢城中,何來的恩情!


【迦樓羅】

「魔の巣窟だと?それは聞き捨てならないな。竜巣城も瑠璃城も、十天眾の命令で建てられた城だ。瑠璃城に劣るはずがない。」

異族魔窟?你這麼說我就不高興了,龍巢城和琉璃城都是奉十天眾旨意而造,怎麼就不如你琉璃城?


【蘇摩】

「出鱈目を!」

信口雌黃!


【迦樓羅】

「信じるかどうかはお前の勝手だが、最初は竜巣城も辺境の拠點の一つに過ぎなかった。向こう側の天人の砦みたいにな。援助もなかったから、色んな場所で頭を下げて食料を分けてもらった。そして最後は天人の貧民や落ちこぼれた鬼族の居場所になった。ある日突然、十天眾から資金を渡されて、竜巣城の修繕を言い渡された。俺はただ言われた通りにしただけだろう?」

信不信由你,龍巢城初建時不過是一處邊陲防線,和對面的天人要塞遙相呼應。沒援沒助倒黴得四處借糧,最後成了天人貧民和落魄鬼族的居所。然而有一日那十天眾親自派人帶來錢財,要我修繕龍巢城,為他們所用。你說,這是不是奉旨建城?


【蘇摩】

「算盤盡くでしか動かない十天眾があなたに施しを?十天眾に何の得がある?」

當年的十天眾惟利是圖,又怎麼會給你錢財,你對他們又能有什麼用處?


【迦樓羅】

「十天眾は得しかしない。お前は鬼族が望んで天人と戦っていると思っているのか?瑠璃城だって辺境にある。そこら辺の村や町くらい見たことあるだろう。そこでは天人と鬼族が、平和に暮らしていた。だが十天眾はそんなことは許せない。俺達鬼族に辺境を襲わせ、爭いを引き起こした。天人の血を鬼族に汚さないためにな。」

我的用處可大了,你以為鬼族真的想和天人連年征戰?琉璃城也在邊陲,你難道不曾見那些無人管的小村小鎮,早就是兩族混住,安居樂業。可十天眾不想啊,他們要我領鬼族攻擊這些邊陲城鎮,挑起兩族爭端,絕不能讓天人血脈被鬼族玷汙。


【蘇摩】

「天人と鬼族の戦爭が、まさかそんな……まさか、あの時瑠璃城にやってきて、私を騙した天人の商人達は……」

兩族的戰爭竟然是這樣……那難道說琉璃城,當年那隊來我城下,幫你欺騙我出城的天人商隊……


【迦樓羅】

「そのまさかだ。十天眾はお前と瑠璃城を目の敵にしていた。城主を言いなりになるやつに変えようと企んでいたんだ。お前ら姉妹を裡で始末し、阿修羅のしくじりにする算段だった。あいつらは、ただ伝令として來ただけだった。だが俺は惜しいと思った。お前は綺麗だし、十天眾のせいで死ぬのは勿體ない。幸いあの頃の竜巣城はもう昔と違って、十天眾も簡単には動かせなかった。そこで俺は考えた。お前と組むのはどうかと。瑠璃城と竜巣城は近いし、瑠璃城には城主が二人もいる。俺に嫁がないか?そうすれば俺達三人はもう十天眾の顔色を伺わなくていい。どうだ?」

沒錯,十天眾早就看你和琉璃城不順眼,想換個聽話的城主。於是讓我暗中處死你們姐妹,再賴在阿修羅頭上,那幾個人,其實就是來傳信的。不過我捨不得你啊,你這麼漂亮,就這麼死在十天眾暗算上多可惜。好在那時我龍巢城早就今非昔比,十天眾有求於我也要看我臉色了,於是我想,不如讓你跟我結個盟。你看,琉璃城和龍巢城離得不遠,琉璃城又有兩位城主。你來我龍巢聯個姻做個壓寨夫人,我們三個以後就都再不用看十天眾臉色,豈不皆大歡喜?


【蘇摩】

「ふざけるな!この蘇摩、例え死んでも、自分がのし上がるために戦爭を起こし、同胞を殺すようなゲス野郎になど嫁ぐものか!」

你休想!我蘇摩即使是死,也不會嫁給你這樣為了自己地位,挑起戰事,殘害同胞的下賤無恥之人!


【迦樓羅】

「やれやれ、似たようなことを帝釈天がしたら天人の王になれて、阿修羅がしたら瑠璃城の英雄扱いされるのに。十天眾のことすら悪く言わないのに、俺のことだけ悪く言うな。安心しろ、俺はちょっとしくじっただけだ。阿修羅と帝釈天が相討ちになったら、俺は竜巣に戻って仕切り直し、善見城を手中に収める。そしたら部屋を綺麗にして、お前を嫁に迎える!」

瞧你這話,怎麼這事帝釋天做了就是你天人之王,阿修羅做了就是你琉璃城的大英雄。你連十天眾都不罵,就罵我呢?放心好了,我迦樓羅只是一時失勢。等到他阿修羅對上帝釋天打個兩敗俱傷,我就飛回龍巢,捲土重來,善見城不過是囊中之物。到時候我再打掃打掃屋子,迎你入門!


【蘇摩】

「寢言は寢て言え!くらえ!」

白日做夢,看箭!


蘇摩が弓を構えて黃金の矢を放ち、迦樓羅の翼を撃ちぬいた。矢尻には鉤が、矢筈には蘇摩の馬に結び付けた糸が付いている。

蘇摩拉滿長弓射出一枚黃金羽箭,竟然穿透了迦樓羅的一側羽翼。箭身有倒刺,箭羽後面則連有金絲,纏繞在蘇摩戰馬身上。


【迦樓羅】

「何だ?」

什麼?


【蘇摩】

「はい!」

駕!


馬が反対側に走り出し、迦樓羅を引っ張り倒し、地面に引きずる。蘇摩が馬に乗り、矢を三本構えて迦樓羅に向けた。

戰馬掉頭飛奔,將迦樓羅的羽翼拉住,摜倒在地,在地面拖行。蘇摩回過頭來倒騎馬背,朝著地上的迦樓羅拉滿了三重箭。


【迦樓羅】

「殺す気か!」

你怎麼這麼狠心!


【蘇摩】

「あなた相手に、情けは無用!」

對你這種人,慈悲是沒用的!


【迦樓羅】

「この糸はなぜ切れない?このまま引き抜くか。俺の羽はなかなかの代物だ、お前にやろう。」

這金絲怎麼就是扯不斷,算了,直接拔出來吧,我迦樓羅的羽毛可是難得的好東西,送你也不算太虧。


矢は迦樓羅に引き抜かれ、數枚の羽を引っ掛けて、蘇摩の手元に戻った。蘇摩に矢を撃つ餘裕を與えず、迦樓羅は再び空に飛んだ。

說罷,迦樓羅將箭用力拔出,帶下幾根羽毛,被蘇摩的戰馬拉回蘇摩手中。不等蘇摩的箭離弦,迦樓羅重新飛回空中。


【迦樓羅】

「この迦樓羅様からの愛のしるしだ、ちゃんと受け取れ。身だしなみを整えて、俺が娶るのを待っていろ!」

我迦樓羅大人的定情信物你收好,回去洗乾淨穿戴好,等我迦樓羅來娶你過門!


【蘇摩】

「逃がすか!」

哪裡跑!


【源頼光】

「そこまでだ、瑠璃城の城主。」

到此為止了,琉璃城主。


【蘇摩】

「あなたは……」

你是……


【源頼光】

「金翅鳥は陽動だ。本隊はすでに城で合流した。」

金翅烏不過是聲東擊西,大軍已經入城會合。


【蘇摩】

「あいつ……また騙された。」

那傢伙原來……還是騙了我。


……善見塔七階、監視塔

——善見塔第七層,哨塔


【毘瑠璃】

「姉様は破れました。今善見城を守ることができるのは、我々だけです。」

姐姐已經敗了,現在守住善見塔只有靠我們了。


【阿修羅】

「お前が?身の程知らずが。」

靠你?不自量力。


【毘瑠璃】

「何だと?衛兵は?私に続け、迎撃だ!」

什麼?守衛呢?隨我迎擊!


しかし監視塔の衛兵は阿修羅に全く歯が立たず、すぐに霊神體の觸手に倒された。

然而哨層的守衛在阿修羅的面前根本不堪一擊,馬上就全敗在了靈神體觸手之下。


【阿修羅】

「帝釈天の居場所を教えろ、そうすれば見逃してやる。」

告訴我帝釋天在哪,我饒你不死。


【毘瑠璃】

「教えるものか!帝釈天様は天人一族の救世主。広い心を持つ慈悲深い帝釈天様が、全ての者を救う!」

你休想!帝釋天大人是我天人一族的救世主,他心胸寬廣,為人慈悲,他會拯救所有人!


【阿修羅】

「全ての者?お前らが負けると知りながら、ここに殘したのに?」

所有人?他還不是明知你們會敗,還將你們留在了這裡?


【毘瑠璃】

「帝釈天様の計畫が成功すれば、忉利天が降臨し、この世に生死はなくなる。我々はまた再會できる!」

等到大人的計劃成功,忉利天降臨,世上將不再有生死,我們也都能重聚!


【阿修羅】

「死があるからこそ命は尊い。帝釈天はお前を利用しているだけだ。気づいていないのか?」

生命因死亡的襯托而可貴。帝釋天不過是在利用你,你難道就毫無察覺嗎?


【毘瑠璃】

「阿修羅、気づいていないのは我々ではなく、身勝手なあなただ。あなたのような人には、永遠に帝釈天様のことを理解できない。あなたは帝釈天様のように、他人のために自分の全てを捧げることはできない!」

阿修羅,沒有察覺的不是我們,而是你,你太自我了。你這樣自我的人,是永遠無法理解帝釋天大人的。你永遠無法像他那樣,為他人捨棄自己,付出一切!


【阿修羅】

「もういい、連れていけ。蘇摩と一緒に閉じ込めろ。姉に人との話し方を教えてもらえ。」

算了,把她帶下去,和蘇摩關押在一起,就讓她的親姐姐來教教她該怎麼說話。


毘瑠璃を連れて行った後、阿修羅は再び善見塔の前にやってきた。

將毗琉璃帶走後,阿修羅重新來到善見塔下。


【阿修羅】

「結界はどうだ?」

結界破解得如何了。


【燼天玉藻前】

「六つの結界を二人で解くのは無理がある。なので四人でやることに決めた。二手に分かれ、それぞれ三ヶ所の結界に力をぶつけて破壊する。私と晴明の力は相性が良い。南にある三つの陣眼を破壊する。酒呑童子と茨木童子には北の三つを任せた。」

六處結界只要兩人破解未免有些吃力,我們已經商議好由四人破解,兩兩以力量相沖撞,各自破解三處。我與晴明的力量相性上佳,破解南三處陣眼,而酒吞童子與茨木童子二人則負責北三處陣眼。


【鬼切】

「俺にもやらせてくれ。」

我也想盡一份力。


【小白】

「二人の力の衝撃を利用して陣眼を破壊するには、力の転換をうまく制御する必要があります。二人の力の相性が良くないと、ぶつかり合ったり、転換しあったして陣眼を破壊することができません。」

兩個人用力量互相沖擊破壞陣眼,是需要適應陣眼中力量輪迴轉化的力度的。也就是兩個人要力量相性好才可以,這樣才可以一邊互相爭鬥,一邊又互相轉化,衝破陣眼。


【鬼切】

「なるほど……」

原來如此……


【小白】

「それに今から始めても、結界を破壊するのに早くても明日の朝までかかります。途中で休むことはできませんよ。鬼切様、今日はお疲れでしょう。源頼光様と一緒に休んでください!」

而且就算現在開始衝陣,最快也要到明天清晨才能打破結界,在這期間是不能休息的。鬼切大人今天打頭陣辛苦了,不如和源賴光大人一起去休息吧!


【晴明】

「阿修羅様も、今のうちに休んでおいてくれ。明日の戦いは阿修羅様にかかっている。」

阿修羅大人,不如趁現在你也去休息一下,明天你會迎來一場旁人無法代勞的惡戰。


【阿修羅】

「迦樓羅、皆に伝えろ。今日はここで野営する。明日の朝に最後の一戦を仕掛ける。俺は辺りを散策してくる。」

迦樓羅,替我吩咐下去,今晚就在這紮營,明日清晨最後一戰。我一個人出去走走。


【迦樓羅】

「はっ!」

是!


日が落ち、善見城は靜寂に包まれて、家々が明かりを落とした。城中から人の気配が消えている。

夜色將至,善見城中十分安靜,家家戶戶也都黑著燈,城中幾乎沒有人的氣息。


【阿修羅】

「予め平民を移動させ、兵だけ殘しておいたのか、帝釈天。お前らしいな。」

提前把平民趕出去,只留下士兵守城嗎,帝釋天。確實是你會做出來的事。


靜寂の中、僅かに鐘の音が聞こえる。阿修羅は気になって、音のする方へ向かった。

然而死寂之中,卻隱隱傳來一陣鐘聲,阿修羅有些好奇,於是循著鐘聲走了過去。


【阿修羅】

「ここは……墓場か。弔鐘の音だったのか。善見城の人達はとっくに逃げたのに、墓守達が殘っている。一體誰のために鐘を鳴らしているのだろう。おい、お前達、魔神軍は今日城まで攻めてきた。負けは決まっている。誰の命令で殘っているのか知らないが、逃げるなら今のうちだ。」

這裡是……墓園。這鐘聲,是喪鐘嗎。善見城中的人早已逃離,然而這些守墓人卻還沒有離開,今天敲響喪鐘,不知是在為誰而鳴。喂,你們,魔神軍今日已經攻入善見城中,敗局已定。我不管你們是聽了誰的命令守在這裡,但是要逃跑,不如趁現在。


【祭司】

「私達はここから離れません。私達が管理しているのは普通の墓場ではありません。ここは天人の英雄達の墓場なのです。」

我們是不會走的。我們所守的,並不是普通的陵園,而是安息著天人一族英雄們的墓園。


【阿修羅】

「英雄か?どれどれ、天人の英雄とやらが、英雄の名に相応しいか見せてもらおう。」

英雄嗎?那就讓我看看,天人的英雄都是些什麼人,是否該當英雄之名吧。


墓場には、まるで星のように夜空を駆け巡る、無數の心魂が燃えている。阿修羅は驚いた。墓に刻まれていたのは、翼の団の戦士達の名だった。

眼前的墓園之中燃燒著無數心魂,彷彿繁星滿天,遊走在其中像是在浩瀚的夜空中穿行。讓阿修羅驚訝的是,墓園中刻下的名字,竟都是翼之團曾經的戰士們。


【阿修羅】

「彼は、翼の団の三人目の軍醫。彼は、竜巣城から戻ってくることができなかった。そして彼は……最後まで翼の団を裡切らず、俺と一緒に深淵の地獄に落とされた。苦痛に苛まれ、魔神に墜ちることを拒んでいた。彼に會った時、彼は俺に食ってくれと懇願した。この一番立派な墓は?」

這個人我記得,是翼之團的第三個軍醫。這個人我也記得,他是龍巢城沒能回來的人之一。而這個……他到最後也沒背叛翼之團,與我一起被投入深淵之獄,不堪忍受痛苦,又不肯墮落成魔神。在我遇到他時,他求我吃了他。這座最氣派的墓是?


【祭司】

「あなたもこの方のために來たのですか?ここに眠っているのは天人一族の大英雄、かつて帝釈天様と共に鬼族を討ち、舊政権を覆しました。もしこの方がまだ帝釈天様のそばにいらっしゃったら、魔神軍が善見城に攻めてきても、返り討ちにしたでしょう。」

您也是為祭奠這位大人而來的嗎?安眠在這裡的大人,是天人一族的大英雄,曾和帝釋天大人一起抵禦鬼族,推翻舊制。如果這位大人還在帝釋天大人身邊的話,魔神一軍就算兵臨善見城下,打贏他們,也一定不在話下吧。


阿修羅は彼の話を聞きながら、墓石に刻まれた名前を見る。そこにあったのは、自分の名前だった。天人の墓には死者の心魂の欠片が供奉され、不滅の炎のように燃え続ける。この墓には炎がなく、代わりに墓の前に一枚の清らかな蓮花が置かれている。花びらには露が付いて光っている。

阿修羅順著他的話,低頭看向墓碑上的名字,卻看到了自己的名字刻在了墓碑上。天人的墓上往往供奉著死者的心魂碎片,如同不滅的火焰般燃燒。這一處墓卻沒有自己的火焰,墓前只是放著一朵冰清玉潔的蓮花,花瓣上露珠瑩瑩。


【阿修羅】

「……」


【祭司】

「阿修羅は英雄の名に相応しいと思いませんか?」

難道你不覺得阿修羅該當英雄之名嗎?


【阿修羅】

「英雄の名?阿修羅は低い身分の出生で、無數の命を奪ってきた。英雄の名には相応しくない。」

英雄之名?阿修羅出身低微為世人所不齒,剛愎自用殺人無數,哪裡稱得上英雄。


【祭司】

「これは陛下のお言葉です。血筋で人の価値は決められません。過ちもその人を否定する理由にはなりません。運命のいたずらで、阿修羅が過ちを犯していたとしても、彼はやはり英雄です。」

陛下有令,血統不能決定人的價值,陛下仁慈,失誤也不能成為否定他人的理由。即使命運使阿修羅錯過,他也依然是英雄。


【阿修羅】

「今阿修羅はどこにいるか知っているか?」

那你可知道阿修羅現在身在何處?


【祭司】

「陛下が仰っていました。英雄は運命に屈しない、故に運命は彼らを彷徨わせる。だから王は私達に鐘を鳴らさせ、歌を歌わさせるのです。彷徨う英雄達の道しるべになるために。」

陛下曾說過,英雄從不肯低頭於命運,所以命運使他們漂泊。因此王命我們鳴鐘,命我們高歌,以在英雄徘徊的路上,為他指引歸路。


それ以上聞きたくない阿修羅は、身をかがめて蓮花に觸れた。墓石には自分の名前だけではなく、短い墓碑銘も刻まれている。阿修羅はそれを小さい聲で読み上げる……

阿修羅並不想聽他多說,而是彎腰去觸碰那朵蓮花。卻看到墓碑上不僅有自己的名字,還有短短的墓誌銘,於是小聲地念出——


【阿修羅】

「「再會に杯を」。」

「敬重逢」。


【祭司】

「それは、帝釈天様が自ら刻んだものです。」

沒錯,是帝釋天大人親手所刻。


【阿修羅】

「悪くない出來だ。」

刻得還不錯。


【祭司】

「ようやく返事をしてくださいましたね。阿修羅は歴史に殘る正真正銘の英雄なのです。」

您總算是聽進去了,阿修羅無疑是真正值得歷史銘記的英雄。


【阿修羅】

「歴史に殘る必要はない。歴史はまた動き出す。俺と彼の物語は、まだまだ終わっていない。」

銘記就不必了,歷史也不會在這裡停留。因為我和他的故事,還遠遠沒有結束。