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陰陽師天魔歸來活動劇情 地獄輓歌⑫英雄(中日雙語整理)天域篇完

二人の霊神體が空中でぶつかり合う。阿修羅の破壊力は悽まじい。しかし素早さは帝釈天のほうが勝っている。帝釈天は剣の攻撃を全て受け止めた。

二人的靈神體在空中碰撞,阿修羅的破壞力無人能及。但敏捷上帝釋天更勝一籌,長劍的攻擊被帝釋天一一擋下。


【帝釈天】

「強さには色んな形があると、あなたが教えてくれた。」

強大也分很多種,這還是你當年教給我的。


【阿修羅】

「十善業道を実施した瞬間から、お前は最も大切な強さを失った!」

而在你頒佈十善業道的那一刻,你就失去了最重要的那一種!


阿修羅の剣が再び觸手に変化し、六本の觸手が帝釈天に襲いかかる。

阿修羅將長劍重新化成觸手,六條觸手從不同方向向帝釋天襲來。


【阿修羅】

「俺の知っている帝釈天は、最後の瞬間まで、誰一人見捨てないやつだ。なのにお前は忉利天のために、全ての人の自由を奪おうとした!」

我認識的帝釋天,是個不到最後一刻,不會放棄任何人的傢伙。可你卻為了忉利天,斷絕了所有人的自由!


帝釈天の蓮花から無數の鋭い鬼手が現れ、阿修羅の觸手に対抗する。

帝釋天的蓮花中突然伸出無數鋒利的鬼手,與阿修羅的觸手纏繞起來,互相撕咬。


【帝釈天】

「私はもう誰かに理解してもらう必要はないんだ、阿修羅。私に必要なのは、あなた達の服従なんだ!」

我已經不再需要任何人的理解了,阿修羅。我需要的,是你們的服從!


蓮花の鬼手が阿修羅の霊神體を引っ張り、阿修羅を善見塔の外に投げ出そうとしている。

蓮花中的鬼手突然狠狠地拉住阿修羅的靈神體,意圖將他丟向善見塔外。


【阿修羅】

「振り切れない?」

居然無法掙脫?


鬼手の気配は阿修羅の霊神體と極めて近く、ほとんど一つになっている。阿修羅は仕方なく觸手の末端を切り落とした。束縛から解放された阿修羅は、塔の天辺の宮殿の端に立っていて、危うく塔から振り落とされるところだった。阿修羅は顔を上げ、帝釈天は彼を見下ろす。最初に出會った時と同じように、眩しい光に包まれた帝釈天は、阿修羅に向かって微笑んだ。

鬼手的氣息和阿修羅的靈神體極為相近,幾乎融為一體。情急之下,阿修羅斬斷了觸手的末端,掙脫束縛,堪堪站穩在塔頂王殿的邊沿,身後就是萬丈高空。阿修羅抬起頭來,而帝釋天低下頭看他,他一如二人初見時一般閃耀著無瑕的光,朝著阿修羅露出笑容。


【帝釈天】

「あなたの言葉を借りよう。服従か、それとも死か。」

借你的一句老話。服從,或者死。


二人の頭上、雲の彼方から金色の光が放たれ、忉利天が雲の影から現れ始めた。

在二人的頭頂,雲端的彼岸散發出黃金般的光芒,忉利天的身影逐漸從烏雲身後顯現。


【阿修羅】

「帝釈天。お前にその言葉を発する資格はない。」

帝釋天。你沒有說這句話的資格。


阿修羅が突然飛び上がった。帝釈天は目で追ったが、忉利天の光が阿修羅の姿を隠した。帝釈天は急いで蓮花を召喚し、迎撃に備える。光の中から黒き影が現れ、襲ってきたのは損傷した霊神體觸手ではなく、傷だらけの剣だった。

阿修羅突然向高空躍起,這回換帝釋天抬頭仰望,然而忉利天的萬丈光芒隱去了阿修羅的身形。帝釋天急忙召喚蓮花圍在自己身側準備迎擊。然而從光芒中顯露出漆黑的身影,落下的並非是受損的靈神體觸手,而是傷痕累累的長劍。


【帝釈天】

「何?」

什麼?


慌てて後ろに後退した帝釈天は、阿修羅の渾身の一撃をすんでのところで躱したが、剣に胸を擦った。帝釈天は無意識に心魂のある左胸を抑え、血を吐いて更に後退した。

他急忙後退,堪堪躲過了阿修羅的全力一擊,被長劍劃開了胸口。帝釋天下意識伸手捂住了左胸口心魂的位置,大口吐出鮮血,一再後退。


【阿修羅】

「お前は逃げられない。」

你逃不掉的。


阿修羅が左手に持っていた剣は帝釈天に落とされ、右手が突然動く。阿修羅の右手が帝釈天の胸を貫いた。

阿修羅左手劍被帝釋天擊落,右手突然向前,阿修羅的右手直接貫穿了帝釋天的胸口。


【帝釈天】

「ゲホッ!ゲホッ……はは、はははは……阿修羅、狙いを外していないか?」

咳咳咳!咳咳……哈哈,哈哈哈哈……阿修羅,你是不是,搞錯位置了?


帝釈天は右手で、自分の左胸を貫いた阿修羅の腕を摑んだ。そして自分の胸に突き刺し、阿修羅の手を摑んで己の心魂を引き抜いた。

帝釋天右手握住了阿修羅穿透自己左胸口的手臂。突然刺穿了自己的胸膛,抓著阿修羅的手將自己的心魂扯了出來。


【帝釈天】

「これがほしいんだろう?」

你是來找這個的,不是嗎?


帝釈天の左手は阿修羅の指を握り締め、拍動する心魂を握らせた。しかしそれは帝釈天の心魂ではなかった……

帝釋天的左手握緊了阿修羅的手指,指引他握住跳動的心魂,然而那顆心魂卻並非是屬於帝釋天的——


【阿修羅】

「俺の最後の心魂の欠片が、なぜお前の體の中に?まさか……」

我的最後一片心魂,為什麼會在你的體內,難道……


【帝釈天】

「阿修羅、なぜ忉利天神が忉利天を滅ぼしたのか覚えているか?邪竜ヴリトラを倒し、殺したからだ。彼は勝った。でも私は……勝ちたくない。やっと、自分の執念に勝つことができた。あなたと一緒に。」

阿修羅,你可還記得忉利天神為何會毀滅忉利天。是因為他戰勝了惡龍弗慄多,殺死了他。他贏了。我卻……不想贏。今天,我終於戰勝了我的心魔,卻是和你在一起。


帝釈天の構えていた霊神體が突然消えた。阿修羅が脫力した彼を受け止める。

帝釋天原本蓄勢待發的靈神體突然消失,全身脫力,阿修羅一把接住了他。


【帝釈天】

「阿修羅、この心魂を食し、最強の天人となり、私を殺せ!」

阿修羅,吃下這心魂吧,迴歸天人之身,成為最強,然後將我斬殺!


【阿修羅】

「これで負けたつもりか?帝釈天、勝負はまだついていない。」

難道你這就認輸了嗎?帝釋天,勝負還遠沒有結束。


【帝釈天】

「勝負?はははは!阿修羅、私はあなたとの勝負を待っていたわけではない。私は死の判決書を待ち焦がれる罪人だ。あなたという執行人を待っていた。」

勝負?哈哈哈哈!阿修羅,我從來就不是在等待你來一決勝負。我不過是一名在死囚獄中拿著判決書焦急等待的罪人,所等的你就是為我一人而來的行刑人。


【阿修羅】

「やはりお前は死を求めてる……」

你果然是在求死……


【帝釈天】

「死を?いいえ、私が求めているのは私だけの公正さだ。あなたに悔いなく、この世の全ての不公平を斷ち切ってほしい。私の罪を暴き、私という暴君を世間に曝せ!あなたは王となり、敬われ、英雄と稱えられる!この全ては、あなたが手にするべきものだった。あなたに返す。」

求死?不,我求的是屬於我一人的公正。我要的是你了無遺憾,親手斬殺這世上所有的不公!我要的是你將我的罪行公諸於世,告訴世人我是個怎樣的暴君!我要你登上王位,受萬人景仰,高呼英雄之名!這本該屬於你的一切,我要將它們,親手還給你。


【阿修羅】

「いらない。」

我不需要。


【帝釈天】

「何?」

什麼?


【阿修羅】

「お前はのし上がって、賢明な王となり、暴君となり、亡國の王となった。このざまになってまで、俺を天人の王に仕立てるというなら、俺は王になどなりたくない!帝釈天、お前は何もかも計算済みだったが、俺が英雄になりたいかどうかを聞き忘れたな。」

如果你完成這一切,成為明君,成為暴君,又成了亡國之君。落到如此田地,就是為了讓我名正言順地成為天人之王,那這王位我不要也罷!帝釋天,你什麼都算到了,卻唯獨忘了問我到底想不想做一個英雄。


【帝釈天】

「私が間違っていたというのか、阿修羅?英雄にしか人々を救うことはできない、その英雄になれるのはあなただけだ。私は人々を、あなたを……手放したくないんだ。」

我難道做錯了嗎,阿修羅?只有英雄能救世人,而能做英雄的人只有你。我放不下世人,但也……放不下你。


阿修羅はゆっくりと帝釈天を地面に寢かせた。頭上の暗雲は消え去り、金色の忉利天がよりはっきりと見える。金色の光が二人を照らした。

阿修羅將抱著的帝釋天緩緩放在地面,頭頂的烏雲逐漸散去,金色的忉利天越發清晰。金色的光芒落在二人身上。


【阿修羅】

「俺達は、どうしてこんなことになった。」

我們究竟為何會走到如今這一步。


【帝釈天】

「薄々気づいていると思うが、私の能力は本當の意味の浄化ではない。昔の忉利天神と同じ、心の共感を通じて悪念を吸収する力だ……」

你大概已經猜到了,我的能力並不是真正的淨化。而和當年的忉利天神一樣,是通過心靈共感,來吸收惡念……


【阿修羅】

「俺の悪念がお前を苦しませ、お前を狂わせたのか?」

是我的惡念使你痛苦,使你變成了如今瘋狂的樣子嗎?


【帝釈天】

「違う。亂世に生きる人々は、多かれ少なかれ、誰もが狂った慾望を抱えているものだ。貴族の強欲、平民の慾望、十天眾の我欲……貧しい村人、來るはずのない救援を待つ兵士……全ての悪念、全ての屈辱と悔しさが私の元に集まる。私には選ぶ権利も選ぶ意思もなく、全てを受け留めた。あなたが私に選ぶ権利を與えてくれたんだ、阿修羅。私があなたを選んだんだ。しかし人の狂気はとどまることを知らない。あなたの果てしない強さがその証拠だ。なのに私の命には限りがある……私は王になった後、ずっと答えを探していた。忉利天に行き、精神の海で忉利天神が殘した殘留思念を見た。死んで千年経った今も、私達と再會し、私達の魂をありのままの姿に浄化することを望んでいる。忉利天神はもういないが、彼と同じ能力を持つ私はここにいる。私が忉利天神に代わって、一族の人々の悪念を吸収する。それだけではない、天人、鬼族、人間、陽界に生きる者の悪念もすべて受け止める。忉利天神のように人を側に束縛し、魂の自由を奪って己の孤獨を埋めるようなことはしたくない……忉利天神の浄化は不完全だ。悪念を人々から切り離せば、人はもう慾望に抗わなくていい。だから、人々が忉利天で再會を果たした時、私はそこへ行かない。私は人々の悪念を取り込んだ忉利天神以上の破壊神となり、最強の天人に倒されるんだ。そしてその最強の天人は阿修羅、あなただ。阿修羅、知っているか?蓮の実は泥の中で千年以上眠ることができる。意識がなければ命もない。ただ咲く夢を見ているだけだ。私の人生は、もう十分なほど蓮花を咲かせた。泥の底へ戻り、永遠の眠りにつくべきだ。」

不,在那樣一處亂世之中,人人都或多或少有著瘋狂的慾念。貴族的貪婪,平民的慾念,十天眾的自私……缺糧短衣的村人,永遠都等不來援兵的戰士……所有的惡念,所有苟且偷生和不甘的死都彙集到了我身上,我不能選也不想選,不自量力地全都收下。是你給了我選擇的權利,阿修羅,是我選上了你。然而世人的瘋狂是無止盡的,你那沒有上限的強大正是證據,可我的生命卻如此有限……在登基為帝后,我為探尋答案,曾親自去往故土忉利天,在精神之海中,見到了忉利天神殘存的思念。即使在死後千年,他還在期待著能再度與我們相見,將我們的靈魂淨化為最初的樣子。然而忉利天神已經不在了,和他有著同樣能力的我卻還在。我會代替忉利天神,吸取所有族人心中的惡念。不僅如此,天人,鬼族,人類,陽界所有生靈的惡念我都會照單全收。可我不想像忉利天神那樣將人們束縛在自己身邊,更不想剝奪任何靈魂的自由來填補自己的孤寂……忉利天神那樣的淨化是不完美的。我想幫助世人一口氣脫離這惡念,再也不在慾海中掙扎。因此,當眾生在忉利天重逢時,我並不會去往那裡。我會帶著世人的惡念化為比忉利天神更甚的破壞神,死在最強的天人手中。而那個人只能是你,阿修羅。阿修羅,你知道嗎?蓮子能在淤泥裡沉睡千年,沒有意識也沒有真正的生命,只是做著盛開的夢。而我的一生,已經開出了足夠多的蓮花,是時候沉眠到淤泥之底,不復醒來。


【阿修羅】

「帝釈天、寢るな。俺に言っただろう、忉利天で待ってるって。」

帝釋天,別睡,你不是說,你會在忉利天等我嗎?


【帝釈天】

「夢の中のあの丘の上の、扉の前に蓮池がある小さな家で。あなたの帝釈天は、そこで待っている。」

在夢中的那座山坡,在那門口有蓮池的小房子裡。你的帝釋天,會在那裡等著你。


忉利天が完全に姿を現わした。暗雲は消え去り、天域上空に金色の光が溢れた。地上と善見城の人々は、目の前の光景に仰天した。その時、忉利天が突然空から落下し始め、善見塔にぶつかろうとした。善見塔はその圧迫を感じたかのように、崩壊し始めた。宮殿の地面はひび割れ、壁は砕け散り、破片が落下していく。善見塔の天辺で、阿修羅は帝釈天を見ている。

忉利天的身形已經無比清晰,烏雲盡數散去,天域上空金色的光芒萬丈。地面上與善見城中的人們,都不由得為眼前的景象而震驚。就在這時,忉利天突然開始從高空向下墜落,朝著善見塔頂壓來。善見塔彷彿感受到壓迫一般,突然開始崩塌,王殿大地龜裂,牆壁碎開,沙石不斷下落。善見塔頂,阿修羅低頭看著帝釋天。


【阿修羅】

「俺達は親友だが、俺はお前のために自分が歩みたくない、歩むべきではない道を選んだりはしない。忉利天と融合して、新たな忉利天神になるなんて、俺が許さない。俺がヴリトラとなり、伝説の戦いのように勝つこともない。俺は歴史を書き換える。そしてお前を追い詰めたこれを、捨てる。」

你我是摯友,但我不會為了你而選擇自己不想走,也不該走的路。我不會讓你和忉利天融合,成為新的忉利天神,我也不會化為弗慄多,打贏那場傳說中的惡戰。我要將歷史改寫。而這將你逼至絕境的東西,沒有也罷。


阿修羅が二人の血にまみれた心魂を握り潰した。心魂の欠片は去るのを惜しむかのように、二人の周りを舞う。

阿修羅捏碎了手中沾染著二人鮮血的心魂,心魂的碎片如同不肯離去一般,像流光一樣縈繞著二人飛舞。


【阿修羅】

「俺は天人ではなくなった。善見城に攻め込み、お前と敵対したあの日から、いいや、生まれた時から天人ではない。だから俺が、お前に用意された道を歩むことはない、帝釈天。それは俺が、阿修羅だからだ。」

我早已不再是天人,在我殺回善見城,而你出來迎戰的那天,不,從我出生的那天起,就從來都不是。所以我不會按照你安排的道路走下去,帝釋天。因為我,正是阿修羅啊。


阿修羅の答えを聞いて、帝釈天は笑った。

帝釋天聽到阿修羅的回答,反而笑了起來。


【帝釈天】

「あなたはいつだって、私が思うよりも強い。強者の頂點に達したと思った矢先に、あなたは更なる高みへと飛んで行く。この世に本物の強者などいないのかもしれない。皆運命の風に逆らって飛び、より高い場所を目指す小鳥なのかもしれないな。そして私は、隨分と高いところまで來た。さようなら、私の阿修羅。」

你永遠都比我想象的要強大,每當我以為你已經走到了強者的頂點,你卻又飛向了更高處。或許這世上本就沒有真正的強者,每一個人都不過是在命運中不斷飛往高處的飛鳥。而我,也算是飛到了,很高很高的地方。再見了,我的阿修羅。


善見塔は忉利天の引力によって完全に崩壊した。轟音が空に響き渡り、雲の上で白い鳥が鳴く。

帝釈天は昏睡狀態になり、深い眠りに落ちていく。忉利天は帝釈天を喰らおうとする巨竜のように、急速に落下してくる。巨塔が崩れる瞬間、阿修羅は落下してくる忉利天に逆らって、更なる高みへと飛んた。金色の忉利天は、金色の幻境をもって彼を迎えた。精神の海が心魂の欠片と共鳴を起こし、阿修羅が追い求め続けた真実を見せた。

瑠璃城で、深淵の戦いの後、帝釈天は一歩も離れず深手を負った阿修羅を看護し続けた。軍醫がいなくなると、彼は自分の心魂を傷だらけの阿修羅の胸の中に入れた。そして阿修羅の傷だらけの心魂は、帝釈天の體內に入れられた。

善見塔因為忉利天的引力而徹底崩塌,巨大的轟鳴傳至雲霄,雲端的白鳥發出了鳴叫。

帝釋天也徹底陷入了沉睡,在沉睡中墜落下去。下墜的忉利天如同要吞食帝釋天的巨龍一般,急速地壓了下來。而阿修羅在巨塔坍塌的一瞬,迎著墜落的忉利天而上,朝著更高的高處躍去。金色的忉利天用金色的幻境迎接了他,精神之海與心魂的碎片共鳴,展現出了阿修羅一直尋找的真相。

琉璃城,深淵一戰之後,帝釋天寸步不離地守在重傷的阿修羅身邊。在軍醫離開後,他將自己的心魂放進了阿修羅傷痕累累的胸口,而阿修羅重傷的心魂則放進了帝釋天體內。


【帝釈天】

「あなたは言っていた、自分は強靭な體持っているが、私には強い心があると。だから今、私の心をあなたに贈ろう。いつでも、どこでも、私に會いたければ、振り返らなくても、私はずっとここで待っている。」

你總說你有一具堅韌的身體,但我卻有一顆堅韌的心,如今這顆堅韌的心,我把它送給你。無論何時,無論何地,當你想要找到我,你甚至都無需回頭,我都會在這裡等你。


真実を知った阿修羅は二人分の力を込めて、思い切り忉利天の偽りの光にぶつかった……

得知了真相的阿修羅以兩人份的全力,狠狠地擊向了忉利天那虛偽的光明——


【阿修羅】

「最強の體は、最強の心の勇気を胸に抱く。俺は絶対に勝つぞ、帝釈天。待ってろ。」

最強的身體,懷抱著最強之心的勇氣,我一定會贏,帝釋天。等著我。


衝撃の後、忉利天神の殘留思念は昔帝釈天を迎え入れた時のように、阿修羅の來訪を受け入れた。本當の忉利天神は帝釈天に似ているが、同時に阿修羅にも似ている。天人に似ているが、天人以外の萬物にも似ている。

撞擊後,忉利天神殘存的意識如同當年迎接帝釋天那般,迎接了阿修羅的到來。真正的忉利天神像帝釋天,卻也像阿修羅,像天人,卻也像天人以外的萬物。


【阿修羅】

「慈悲深いと自惚れる忉利天神よ、何と殘酷なんだ!闇の子供として生まれたというだけで、俺の全てを奪うのか?善悪は元々表裡一體のものだ。善人の心にも悪念が生まれる。悪人も気まぐれに善をなす。人は傷付くと苦しみ、勘違いされると怒り出す。怒りに支配されると破壊に手を染めたり、何も考えずに他人の所有物を奪ったりする。誰もが悪念を抱いている。悪念はどこにでもある。神とて例外ではない。天國とて免れることはできない!お前は全ての天人を創り出し、彼を創り出し、そして俺をも創り出した。しかしなぜなんだ、なぜ俺の存在を恐れるあまり、彼に生涯をかけて、どちらかが死ぬまで俺と戦い続ける使命を與えた?」

自詡慈悲的忉利天神,你是何等殘忍!難道只因我生來是黑暗之子,你就要奪走屬於我的一切?善惡本就一體兩面,互為表裡,善人心中會誕生惡念,惡人也會一時動容而行善。人受傷就會痛苦,被錯怪就會憤怒,怒火中會想要破壞,也會想要不管不顧地奪取他人的所有物。惡念人人皆有,到處皆是,即使是神也不能免俗,即使是天國也不能例外!你誕生了所有天人,誕生了他,也誕生了我。可你為什麼,就這樣地懼怕我的存在,怕到非要讓他窮盡一生來與我爭鬥,不死不休!


忉利天神は慈悲深い眼差しで阿修羅を見つめているが、一言も発さなかった。

忉利天神悲憫地注視著阿修羅,卻一言不發。


【阿修羅】

「ならば、俺は闇と化し、破壊神と化し、お前に押し付けられた運命に抗う!この俺が彼の代わりに、全ての罪悪を背負う!」

既然如此,就讓我化為黑暗,化為破壞神,來反抗你強加給我的命運!就由我來代替他,承受所有罪惡!


忉利天が降臨する寸前に、阿修羅の霊神體が帝釈天の代わりに精神の海に溶け込んで、鬼域中の悪念を吸収し始めた。

在忉利天降臨前的最後一刻,阿修羅代替帝釋天將靈神體融入了精神之海,吸收起鬼域中的惡念。


【阿修羅】

「足りない、全然足りないぞ!たかがこの程度の悪念でこの阿修羅を押し潰す気か?俺はお前らの新しい神だ!全ての魂は俺に平伏し、全ての精神は俺好みに生まれ変わるべきだ!俺の願いは全て、この鬼域にて真実となる!天人の聖なる子供である帝釈天は、神託を受け世に生まれ、若くして軍に入り、鬼族の侵攻を挫き、唯一無二の才能を見せて人々に敬われ、やがて將軍となった。その後翼の団を立ち上げ、天人と鬼族の和解のために辺境を駆け回り、最後には平和をもたらした。しかしそれを拒んだ金翅鳥一族は竜巣城に巣食い、天域を攻め落とすことを企んだ。帝釈天は自ら兵を率いて討伐に當たり、見事に勝利を収めた。城に戻った帝釈天は、人々に推薦され戴冠を果たした。彼は民を愛する王として、強者も弱者も、老若男女に平等に接し、良き政策を実行した。しかしそれは天域の辺境にいる魔神一族に妬まれる種となった。魔神に唆された竜巣城が敗れたあと、魔神一族は百年蟄伏したが、やがて大軍を率いて善見城まで攻めてきた。天人の王帝釈天は城の民を避難させ、善見塔の頂にて自ら魔神の王阿修羅を迎撃した。しかし魔王は禮儀知らずで殘酷非道な上、悪事の限りを盡くし、天域と鬼域を諸共破壊すると嘯いた。故に帝釈天は魔王の命を絶つと決めた。二人の戦いは丸一日続いた。翌日の朝、帝釈天はようやく阿修羅に打ち勝ち、魔神軍を撃退して、深淵の底に追い払った。これにより、天域と鬼域は平和を取り戻し、善見城の民も無事に故郷に戻ることができた。深手を負った帝釈天は姿を消したが、三日後の朝に帰還を果たし、はぐれてしまった家族と城門で再會して、感動の涙を流した。民は歓聲をあげて彼を出迎え、花束を贈った。人々の笑い聲は王宮まで聞こえてくる。帝釈天はそこで皆に囲まれて再び玉座についた。天域と鬼域は、それで永遠の平和を手に入れ、戦亂をもたらす者は一人も殘らずに消えた。しっかりと胸に刻め。偽りの不平等な世界よ!新たな神の名をもって、服従を命ずる!この阿修羅の慾望に、従え!」

不夠,還不夠!只是這點惡念就想把我阿修羅壓垮嗎?我是你們的新神!我要所有的靈魂都臣服於我,所有的精神都隨我的喜好而重鑄!我要我心中所想的一切願望,皆在這鬼域中化為真實!天人聖子帝釋天,受神諭降生於世,年少參軍,抵禦鬼族侵擾,一鳴驚人,為兵將民眾所愛戴,成為一方大將。又創立翼之團一軍,為兩族和談奔走於邊境,終於使兩族和解。然金翅烏一族不肯歸順,盤踞龍巢一城意欲攻取天域,帝釋天親自舉兵討伐,龍巢城大捷。帝釋天回城後,千萬人簇擁其登上王位。其為王愛民如子推行仁政,無論弱小強大,青壯老幼,一視同仁。卻遭天域邊境魔神一族妒恨,魔神族挑唆龍巢城攻打天域失利,韜光養晦百年,最終舉魔神大軍攻打善見城。天人之王帝釋天遣散城中百姓,於善見塔頂親自迎戰魔神之王阿修羅。卻見魔王行儀粗鄙,行事殘忍,無惡不作,口出狂言要將天域鬼域一併摧毀,終於決心將其斬殺。二人大戰一日之久,直至次日清晨,帝釋天戰勝阿修羅,又將魔神一軍擊退千里,打入深淵之底。天域鬼域從此重歸和平,善見城百姓重歸家園。帝釋天重傷失蹤,於三日後清晨時歸城,與失散的父母兄弟團聚城門前,喜極而泣。百姓夾道高呼,村人獻上鮮花,歡聲十里,直至王殿門下,千萬人簇擁帝釋天重登王位。天域鬼域,從此永享和平,天上天下,再無求戰之人。記好了。這虛偽而不公的世界啊!我以新神之名,命令你服從我!臣服於,我阿修羅的慾念!


忉利天は最後に空中で、萬物を金色に染め盡くす眩しい光を放った。そして鳥すら辿りつけない、一番高い空に消えた……

忉利天最後一次在空中爆發讓萬物為之變色的金色光芒。最終消失在飛鳥也不能到達的,最高的雲端——


【源頼光】

「結局こうなったか。まあ、こんな結末も悪くないだろう。」

到頭來卻成了這樣嗎。也罷,也算是另一種不錯的結果了。


【鬼王酒呑童子】

「阿修羅、お前は一體どんな結末を選んだ。」

阿修羅,你究竟是選了怎樣的結局。


最後の神と対峙したあと、狂気と暴虐にまみれた破壊の慾望に侵されながら、阿修羅は必死に自我を保ち、帝釈天が墜落する前に彼を受け止めることに成功した。

與最後的神明對峙後,在瘋狂暴虐的破壞慾中,阿修羅撐著自我意識,終於在帝釋天墜落前接住了他。


【阿修羅】

「帝釈天……俺は闇の子供として生まれたが、お前は俺に光を見せ、人情を感じさせてくれた。お前は光の中で生き続けるべきだ。闇に落ちる怪物は、永遠に俺でいい。もうすぐ瑠璃城の近くに著く、そこで一旦休もう。起きたか、帝釈天。」

帝釋天……我生來就是黑暗之子,而你卻讓我看到了光明,給了我情誼。你應該一直活在光明之中,就讓我成為永墮黑暗的怪物。我們很快就能到琉璃城附近了,暫時在這裡歇息吧。你醒了嗎,帝釋天。


【帝釈天】

「ゴホ、なぜあなたがここに、私はどうして……?」

咳、你怎麼會在這裡,我又為什麼會……?


【阿修羅】

「別れを告げに來た。俺はじきに理性を悪念に蝕まれ、正真正銘の破壊神と化す。そしてお前は俺達が追い求めた世界の中で目覚める。」

我是來告別的。我的理智很快就會被惡念佔據,成為真正的破壞神,而你會在我們共同追尋的世界中醒來。


【帝釈天】

「悪念、破壊神?違う、それは私がやるべきことだ、あなたがやるべきことではない。あなたには…」

惡念,破壞神?不,那是我該做的事,你該做的不是這些,你該做的是……


【阿修羅】

「結局のところ、俺達は同じぐらい頑固だな。しかし今だけは、お前の執念も少し理解できた気がする。だが殘念だ、最後になっても、俺はお前のように優しくはなれなかった。以前、俺が欲しいのは自分が創り出した世界、この手で奪い取った全てと言ったことがあるよな。俺にとって、人々の自由など、俺の執念と比べたら取るに足りないものだ。」

到頭來你我完全是一樣的脾氣,只是在這一刻,我似乎有點理解了你的執念。只可惜啊,我終究還是沒你這樣的好脾氣,我說過我想要的是自己親手創造的世界,親手奪來的一切。眾生的自由在我眼前,如何比得上我心中的妄念。


【帝釈天】

「……一體何をした?」

……你究竟做了什麼?


【阿修羅】

「我が名は阿修羅、魔神一族を統べる者で、天人と鬼族との戦爭を引き起こした張本人。そして天域を狙う悪者で、お前の宿敵だ。俺達は善見塔で雌雄を決するために、今日初めて出會った。俺が破れたから、もう二度と會えない。」

我的名字是阿修羅,魔神一族的將領,挑起天人和鬼族之間戰火的罪魁禍首,覬覦天域的魔族,你的宿敵。我們今日初見,是在善見塔上一決高下,自我敗後,永不再相會。


【帝釈天】

「違う、阿修羅は昔からの知り合いだ。今日初めて會ったのではない。私達は辺境の村で出會った。阿修羅は鬼族に襲われていた私達を救ってくれた。阿修羅は魔神を統べる者などではない、天人一族の英雄だ。」

不,阿修羅與我相識已久,並非是今日初見。我們相遇在邊境的村外,他從鬼族手中救下了我們一行,他也並非魔神將領,而是我天人一族的大英雄。


【阿修羅】

「それは記憶違いだ。」

你記錯了。


【帝釈天】

「記憶違いではない。阿修羅は強い霊神體を持っているが、ずっと狂気に苛まれている。私は精神感応の力を通じて彼の痛みを分かち、仲間になった。私は彼と共に戦場に赴き、數々の功績をあげた。」

我沒有記錯,阿修羅靈神體強大,卻飽受瘋病之苦,我用心靈感應分擔他的痛苦,與他結為搭檔。我同他一起上過戰場,打了無數勝仗。


【阿修羅】

「そうか、一體どんな功績をあげた?」

是嗎,那你們都打過什麼勝仗?


【帝釈天】

「瑠璃城で大勝利を得た。彼が鬼族に成りすまし、私を敵の首領に捧げたあと、私達は力を合わせてその首領を殺し、城の民を救った。竜巣城でも大勝利を得た。私は彼と二手に分かれた。彼は城の中に潛入し、太鼓を鳴らして偽の情報を流し、私は兵を率いて後門から城の中に攻め入った。善見城で、私は新しく王に任命され、反亂軍が城門下まで攻めてきた。阿修羅は…阿修羅は……どこへ行った?」

琉璃城大捷,他扮作鬼族,將我獻給賊首,我們二人合力刺殺賊首,救了城中百姓。龍巢大捷,我與他兵分兩路,阿修羅潛入城中,命人佯擊戰鼓,我領兵從後門趁虛而入。善見城中,我被任命為新王,叛軍兵臨城下,阿修羅他……阿修羅……去了哪裡?


【阿修羅】

「それは記憶違いだ、帝釈天。」

你記錯了,帝釋天。


【帝釈天】

「記憶違いではない、後生だから教えてくれ、彼は一體どこへ行った?」

我沒有記錯,求你告訴我,他到底去了哪裡?


【阿修羅】

「彼は敵の情報を探りに行った。お前はまだ寢ていたから起こさなかった。そして俺は伝言を預かった。英気を養い、明日になったら竜巣城を攻めるようお前に伝えてくれと言っていた。」

他去勘察敵情,看你還在睡就沒有叫醒你,他讓我等在這裡,告訴你要養精蓄銳,明天我們攻打龍巢城。


【帝釈天】

「竜巣城を攻める…」

攻打龍巢……


【阿修羅】

「そうだ。竜巣城を攻め落とすのはお前の宿願だと知っているから、彼はお前と共にそれをなし遂げたいと言っていた。もう少し寢ろ。目が覚めたら、彼は帰ってくるだろう。」

沒錯,他知道攻下龍巢城是你的夙願,他說一定要和你一起完成。睡吧,等你醒來,他就會回來。


【帝釈天】

「そうかな。」

會嗎。


【阿修羅】

「そうだ。目が覚めたら、戦爭はもうお前の手で終止符が打たれていて、二度と起こらない。鬼族と天人は互いを理解し合い、敵対することはない。そしてお前は凱旋する。民が歓聲をあげて出迎え、花束を贈る。ずっとお前のことをよく思っていなかった家族も城を出て、善見城の下で、お前の帰りを待っている。夢の中には、かつての戦友がいる。そして目覚めると、また今の友人に會える。」

會的。等你醒來,戰事已經終結於你手,兩族再不會燃起戰火,鬼族與天人能夠互相理解,不再敵對。而你乘勝歸來,平民為你夾道歡呼,村人為你送上鮮花。就連一直冷待你的家人,都會親自出城來,在善見城下,恭迎你歸來。在你的夢裡,有你曾經的戰友,而等你醒來,又會見到現在的友人。


【帝釈天】

「そんな日が本當に來るのか。」

會有那樣的一天嗎。


【阿修羅】

「お前が望みさえすればな。」

只要你希望。


阿修羅が子供の頃母親がよく歌っていた小唄を口ずさむと、帝釈天はあっという間に眠りについた。

阿修羅小聲地哼起兒時從母親那裡聽來的調子,帝釋天很快就沉沉地睡了過去。


【阿修羅】

「できることなら、俺もこの世界に殘って全てをこの目で見たい。だがどんな願いにも対価が必要だ。忉利天神の過ちは、対価を払わなくても願いが葉う世界を創り出したことだ。だが俺は、二度とその過ちを犯さない。俺達の理想は実現できた。今度は俺が対価を払う番だ。俺が全ての悪念を背負い、深淵に持ち込む。そうすれば二度と悪が光に觸れることはない。お前の世界に殘るのは、美しさと喜びだけだ。誰もが闘神阿修羅のことを忘れる。これからは深淵天魔しか存在しない。そして人々はお前の名を稱える。お前は人々に慕われる慈悲深い王だ。だから前に進め。過去を振り返るな。もう誰かのために足を止めるな。そして俺も、歩みを止めることはない。」

如果可以,我也想留在這個世界裡親眼看看它的樣子。然而一切願望都有代價,忉利天神的錯誤,就是創造了一個只有願望卻沒有代價的世界。而我,不會重蹈他的覆轍。我已經實現了我們曾經的理想,現在到了我支付代價的時候了。我要將揹負的所有惡念一併帶入深淵,邪惡再也無法觸碰光明,讓你的世界只留下美好與歡愉。我要這世上再無人記得戰神阿修羅,從此世間只有深淵天魔,而人們歡呼著你的名諱。你是萬人愛戴的仁慈之王,你該走了,不要再看向過去,不要再為誰而停滯不前。而我,也同樣不會停步。


阿修羅は最後の力を振り絞って、自分と共に無數の悪念を深淵に送り込み、再び深淵を封印した。これをもって、阿修羅は永遠に闇に墮ち、光の世界に踏み込めぬ唯一の魔王となった。

阿修羅以最後的力量,將自己和萬千惡念一同打入深淵,並再度封印了深淵。自此,阿修羅將永墮黑暗,成為無法走入光明的唯一的魔王。


……數日後の朝、善見城

——數日後的清晨,善見城


【雷公鬼】

「この戦いもようやく終わった。仲間の商人達と共に天域の辺境で何日も待って、今日ようやく中に入ることができた。」

這場仗終於打完了,我們幾個商隊在天域邊境上等了好些天都沒能進來,這會終於開結界了。


【赤潮鬼】

「これは善見城が先日註文した品だ。いつもの品物以外に、天人の王が註文した善見城復興用の物資もたくさんある。」

這是善見城一早訂下的貨物,除了平日裡那幾樣,還有天人之王訂下來的幾車重建善見城的物資。


【天人の兵士甲】

「本當にご苦労様です。」

真是辛苦你們了。


【赤潮鬼】

「いいえいいえ、天人の王はあの天魔様を追い払ってくれたんだ、我々は感謝するべきです。」

不辛苦不辛苦,天人之王幫我們趕跑了那個天魔大人,我們高興還來不及。


【雷公鬼】

「本當に帝釈天様のおかげだ。百年前には、天人と鬼族が商売するなど、誰も想像だにしなかっただろう。そういえば、帝釈天様は今日の朝善見城に戻るのか?」

也多虧了帝釋天大人,換做百年前,誰能想到兩族還能這麼通商呢。說起來,帝釋天大人是今早就回善見城?


【天人の平民甲】

「そうだ、帝釈天様は今日の朝に城に戻ってくる。皆、準備はできているか?」

沒錯,今天早上帝釋天大人就會回城,大夥都準備好了嗎?


【天人の平民乙】

「花束も酒も用意した!」

鮮花美酒都已經準備好了!


【天人の平民甲】

「しかし帝釈天様が必ず今日の朝帰ってくると、一體誰が言い出したんだ?」

不過到底是誰說帝釋天大人今早一定會回來的?


【天人の平民乙】

「俺も分からない、きっと衛兵か誰かが言っていたんだろう!」

我也不知道,大概是聽守軍裡的誰說的吧!


【天人の平民丙】

「私は帝釈天様の凱旋を祝うために、この三日間ずっと歌を練習していた!だから帝釈天様は、必ず今日お帰りになる!」

我苦練了三天的歌,準備為帝釋天大人歸來高歌一曲呢!所以帝釋天大人今天一定會回來的!


帝釈天は起きたばかりで、まだぼんやりとしている。しかし自分が馬車に乗って、善見城に向かっていることに気づいた。

帝釋天迷迷糊糊地醒過來,發現自己正在馬車上,車一路往善見城駛去。


【帝釈天】

「ん…ここは?」

唔,這裡是?


【毘瑠璃】

「帝釈天様、お目覚めですか!」

帝釋天大人,您醒了!


【帝釈天】

「私は……一體何が……」

我這是……怎麼了……


【蘇摩】

「私達が帝釈天様を発見した時、帝釈天様は重い怪我を負って瑠璃城近くの崖に倒れていました。今は善見城に向かっている途中です。」

我們找到您的時候,您一個人重傷躺在琉璃城邊的山崖上,現在我們正在返回善見城的路上。


【毘瑠璃】

「帝釈天様はあの深淵天魔に打ち勝ち、再び天域に光を與えました。しかしご自身も重傷を負って、意識を失いました。だからあそこに倒れていたのです。幸い姉様がすぐ帝釈天様を見つけました。帝釈天様の心魂はひどい狀態でしたが、忉利天神のご加護か、數日のうちにすっかり回復しました。」

大人是打贏了那深淵天魔,給天域重新帶來了光明,卻重傷失去了意識,所以才會倒在那裡。幸好姐姐發現得及時,您的心魂雖受了重傷,但也許是得到了忉利天神明的庇護,這幾天還是很快恢復了。


【帝釈天】

「深淵……魔王?」

深淵……魔王?


【毘瑠璃】

「覚えていらっしゃいませんか?天人一族は鬼域に落とされてから、ずっと深淵の魔神一族と戦っていました。この戦爭は千年間ずっと続いています。そしてあなたが翼の団を結成し、鬼族という外敵との紛爭を終わらせ、魔神一族をも怯えさせ、天域に平和をもたらしたのです。しかしそれでも深淵天魔は諦めず、兵を挙げて善見城を攻め落とそうと企みました。その時、帝釈天様は城の民を避難させ、一人で天魔に挑んだのです。」

大人不記得了嗎?我們天人一族自從墜入鬼域,就與深淵中的魔神一族敵對,戰爭千百年不曾停息。是您一手建立了翼之團,平定鬼族外亂,又震懾魔神一族,給天域帶來了和平。然而那深淵天魔卻不肯死心,居然舉兵欲攻取善見城,您疏散了城中百姓,獨自迎戰。


【帝釈天】

「私が覚えているのは、高いところから落ちて、誰かに助けられ、命の恩人の顔を確認したいと思っていたのに、また眠り込んでしまったということだけだ。」

我只記得自己好像從很高的地方摔了下來,被人救下,想要看清救我的人是誰,卻昏昏沉沉地睡了過去。


【毘瑠璃】

「恐らくは決戦で深手を負い、一時的な記憶障害が生じているのでしょう。なにはともあれ、天人一族は一日たりとも王を欠くわけにはいきません。よって獨斷ですが、先に帝釈天様を善見城に送り返すことに決めました。どうかお許しを。」

恐怕您是因為決戰時重傷而暫時失去了記憶。不管如何,一族不能一日無王,於是我自作主張先護送您回善見城,還望大人見諒。


【帝釈天】

「あなたの言う通りだ。善見城は未だ復興問題に悩まされている。急いで戻らなければ。蘇摩、毘瑠璃、あなた達は魔神一族の王……深淵天魔の……名前を知らないか?」

你說的沒錯,善見城百廢待興,確實急需我回去坐鎮。蘇摩,毗琉璃,你們知不知道魔神一族的王……深淵天魔他……到底叫什麼名字?


【蘇摩】

「分かりません。彼の者の名前は禁忌中の禁忌です。噂では、その名前を口にしただけでも、死を招くと。だから天域でも鬼域でも、その名前を口に出す者は一人もいません……」

屬下不知,那人的名字是禁忌中的禁忌。傳聞只要提及,就會招來殺身之禍,因此天域鬼域之中,無人敢頌其名……


【帝釈天】

「そうか……」

是這樣嗎……


【天人の兵士甲】

「あそこを見ろ!蘇摩様の側近の部隊だ!馬車に乗っているのは、帝釈天様だ!」

你們看那裡!是蘇摩大人的近衛隊,馬車裡的,是帝釋天大人!


【天人の平民甲】

「よかった!帝釈天様が無事に戻られました!」

太好了!帝釋天大人平安回來了!


【天人の平民乙】

「帝釈天様が戻られました!帝釈天様、萬歳!早く花を撒け!」

恭迎帝釋天大人!帝釋天大人萬歲!趕快撒花!


【天人の平民丙】

「皆!早く帝釈天様に歌を捧げましょう!」

大家!快為帝釋天大人唱歌!


【帝釈天】

「これは?」

這是?


【毘瑠璃】

「一族は帝釈天様を迎えるため、帝釈天様のお帰りを祝うため、歌を歌っています。」

是族人們在為帝釋天大人唱起迎接的歌謠,為恭候大人回城,重歸王座。


優美で高らかな歌は、天域と鬼域との境目にある村で暮らす子供にすら歌える旋律だ。歌は翼の団のおかげで辺境から善見城に伝わった。そして今、善見城からまた他の場所へ伝わっていく。

柔美又高亢的歌聲曾是天域與鬼域交界之處兩族的孩童都會唱的調子。被翼之團從邊境帶來善見城傳唱,如今又遠遠地從善見城的方向傳來。


【帝釈天】

「この歌を知っている。これは白い羽を持つ小鳥の歌だ。小鳥は雷雨の朝に雲と風を越え、少しずつ飛び方を學んでいる。物語の最後、小鳥は雲の彼方に辿りつく。そして雨の降らない、いつも晴れているあの場所に殘った。」

我記得這首歌。它唱的是一隻白羽的鳥兒,在一個雷雨交加的清晨穿過雲層與風,慢慢學會飛的故事。故事最後它飛到了雲端之上,留在了那個永遠晴朗無風的地方。


【蘇摩】

「雷雲の中では、小鳥は飛ぶこともできないでしょう?歌の最後の部分は、小鳥が嵐の中で死んだことをほのめかしているかもしれません。」

小鳥在雷雨裡如何能飛?或許這首歌的最後,是在影射鳥兒死在了暴風雨中。


【帝釈天】

「そうかもしれないな。それでも、小鳥は一生懸命に飛んだ。」

或許吧。但至少,它曾不顧一切地飛過。


深淵の下、天人の歌は阿修羅の耳にも屆いたようで、彼は一瞬だけ頭を上げ、上から差し込む一縷の光を見上げた。深淵の中で、笑い聲と斷末魔が響き渡った。阿修羅の手の中で引き裂かれた魔神は、まだ謳うように彼の名前を繰り返している。

深淵之下,阿修羅似乎也聽到了天人們的歌聲而有一瞬間抬起了頭,望向頭頂的一絲光明。深淵之中響徹著笑聲和撕心裂肺的慘叫,而阿修羅手中被撕裂的魔神還在如同吟唱一般反覆地念著他的名字。


【魔神】

「阿修羅……阿修羅……」

阿修羅……阿修羅……


【阿修羅】

「生きとし生けるものの心に生まれる闇、その全てを取り込んでも、俺の心を埋めることはできない。我が心は光の中にある、故に我が身は永遠に闇に墮ちない。いつかきっと、俺は再び帰還を果たし、追い求める光の中に帰る……帝釈天。」

即使千千萬生靈心中的黑暗,都歸於我一人,也無法填滿我心。我心仍在光明之中,我身也不會永墮黑暗。終有一日,我將再度歸來,回到我所渴望的光明中……帝釋天。


ぼろぼろになった魔神は地に捨てられ、頭も阿修羅に踏みつぶされたが、それでも魔神はまだ彼の名を稱え続けている。

肢體殘破的魔神被丟在了地上,即使被阿修羅踩碎頭顱,也不曾停止稱頌他的名字。


【魔神】

「阿修羅……阿修羅!……破壊神……阿修羅!」

阿修羅……阿修羅!……破壞神……阿修羅!


……後日談

——後日談


數ヶ月後、鬼域の平原の中を、都に戻る馬車が走っている。

數月後,鬼域平原上,賓士著一輛返回京都的馬車。


【鬼切】

「鬼域の鬼族から聞いた話だが、あの天魔の名前は阿修羅というらしい。深淵の魔神はいつも彼の名を稱えていて、夜中に崖に行くとその聲が聞こえるらしい。あいつらはもったいぶっていて、まるでその名を口に出したら誰かに殺されるようだった。俺が刀を抜いて脅したら、ようやく聞き出せた。」

我也是聽鬼域的鬼族說的,那個天魔的名字是阿修羅。深淵裡的魔神們一直高呼他的名字,夜裡站在懸崖上還能聽見。他們搞得神神祕祕,彷彿訴諸於口就會被殺人滅口一樣,我拿出刀逼他們才肯說。


【煉獄茨木童子】

「阿修羅……帝釈天に協力してあいつを撃退したが、連中はいつも天魔様と叫んでいたから、名前は初めて知ったな。友は昔鬼域を訪れたことがあるだろう。その名前を耳にしたことはあるか?」

阿修羅……雖然幫帝釋天擊退了這傢伙,但是光聽那群傢伙高呼什麼天魔大人,還是頭一回知道他的名字。摯友你過去來過鬼域,可曾聽過這個名字?


【鬼王酒呑童子】

「あるとも、あいつは俺様の酒友達だ。」

聽過聽過,還是我酒友呢。


【煉獄茨木童子】

「なに?!」

什麼?!


【鬼王酒呑童子】

「冗談さ。」

開個玩笑罷了。


【小白】

「酒呑童子様の冗談は、恐ろしいですね……幸い天人の王帝釈天に協力して魔神一族を撃退したから……その後は快く雲外鏡の欠片を浄化してくださいました。つまりめでたしめでたしですよね。」

酒吞童子大人的玩笑,好嚇人……不過好在因為幫天人之王帝釋天抵禦了魔神一族……他事後痛快地為我們淨化了雲外鏡碎片,也算是皆大歡喜啦。


【鬼王酒呑童子】

「そうか?これはあいつが最後に選んだ結末だから、俺様も喜ぶしかない。」

皆大歡喜嗎?那傢伙最後選了這樣一個結局,我也是隻好跟著歡喜了。


【晴明】

「あの英雄の犠牲のおかげで、都と鈴鹿山の霊力の一部が戻った。我々が旅に出た甲斐があった。都の復興にはまだまだ時間がかかるが、全てが好転していることだけは事実だ。」

京都和鈴鹿山的部分靈力也因那位英雄的犧牲而回歸了,我們不枉此行。雖然京都恢復如初還需一段時間的休養生息,不過一切都在朝著好的方向進展。


【源頼光】

「人々があの英雄の存在を忘れても、深淵天魔の伝説は、必ず受け継がれていく。」

即使人人都不記得那位英雄的存在,但深淵天魔的傳說,總會有人相傳。


【鬼王酒呑童子】

「あいつはお前に覚えていてほしくはないだろう、源頼光。」

我看他可能不怎麼想讓你這傢伙記得呢,源賴光。


【源頼光】

「そうかな?もしいつかまた會うことができたら、彼に聞いてみようか。その日はそう遠くないはずだ。」

是嗎?那有朝一日能再會,不如問問他好了。畢竟那一天,應該並不會遠。


……善見城宮殿內部

——善見城宮殿內


【帝釈天】

「城に戻った民の生活がようやく落ち著き、鬼域の外から訪れた客人を送り返すこともできた。善見城の復興も軌道に乗った。ここ數日は本當に疲れた、休みたくて仕方がない。」

終於安置好了歸城的居民,也把鬼域外面來的幾位客人們給送走了,善見城的重建也上了日程。這幾天好累,真想好好休息一下。


【毘瑠璃】

「帝釈天様は遠慮なくお休みになってください。殘りの仕事は私にお任せを。夜はご家族とお食事されるご予定ですよね?」

大人請去休息吧,剩下的工作就交給我來完成,您晚上不是還要去家中赴晚宴嗎?


【帝釈天】

「そうだ。母上の手料理を食べるのはいつぶりだろう。兄上達は辺境へ行ってからずっと會っていなかったから、私のことが分かるだろうか。十善業道を施行してから……ん?十善業道とは一體……」

是啊,母親親手做的菜已經好久都沒吃到了。哥哥他們去了邊境許久不見,不知道還認不認得出我,自從頒佈了十善業道……嗯?十善業道是什麼……


【毘瑠璃】

「帝釈天様はきっと大変お疲れなのです、どうかお休みになってください。私は先に失禮いたします。」

大人一定是太累了,請好好休息,我這就先下去了。


毘瑠璃が去り、帝釈天はやっと一息ついた。彼は城外へ行き、木の下で腰を下ろした。見上げると、木の上に立っている白い鳥が、興味津々に自分を見つめている。

毗琉璃走後,帝釋天終於鬆了一口氣,他走出城外,坐在了樹下。抬頭看見一隻白色的飛鳥正站在樹上,也在好奇地打量自己。


【帝釈天】

「時々鳥であるあなた達が羨ましくなる。いつも自由で、何か言いたいことがあれば、空高く飛んで、風や雲に教えることができる。私はかつて自分の部隊を翼の団と名付けた。その名前には皆を連れて束縛を破り、空を飛び、自由になるという願いが込められていた。しかし結局私は、憧れていた強く特別な戦士になることはできなかった。もしかしたら、世界のどこかには、鳥のように身の危険を顧みない人がいるのかもしれない。でも彼はあまりにも高く遠くへ飛んで行って、永遠に止まらないから、私と出會うことはない。彼女を心配させたくないから、ずっと毘瑠璃には黙っていた。だが天魔との戦いには何か大事なことが隠されている。私が重傷を負って記憶をなくしただけではないはずだ。理由は分からないが、私の體內には他人の霊神體の欠片がある。しかも取り出すことができない。この欠片は明らかに私と天魔の霊神體が融合したものだが、どうしてそんなものが私の體內に?」

有時候真羨慕你們飛鳥,自由自在,想要說什麼,就飛到高處,然後告訴風和雲彩。我也曾經給自己的軍隊取名為翼之團,希望能帶領大家掙脫束縛,飛向雲端,變得自由自在。可是到頭來,我還是沒能成為所向往的那樣,強大又特立獨行的戰士。或許在這世界上的某一個地方,有著像飛鳥那樣奮不顧身的人。只是他飛得太高太遠,永遠也不會停留,也不會與我相識。我一直沒有告訴毗琉璃,怕她擔心,但天魔一戰可能並不是我重傷失憶那麼簡單。不知為何,我的內體竟有一枚並不屬於我的靈神體碎片,而且無法取出。這枚碎片分明融合了我和天魔的靈神體,到底為什麼會在我身體裡呢?


小鳥がつまらなさそうに羽をばたばたさせる。帝釈天の獨り言は退屈だと思っているのかもしれない。そして最後には飛んで行ってしまった。あっという間に、小鳥の姿は雲の中に消えてなくなった。一枚の白い羽が、ゆっくりと舞い落ちる。帝釈天が手を伸ばしてその羽を受け止める。羽に觸れた瞬間、馴染みがないのに同時に懐かしく感じる思い出が彼の頭の中をよぎった……帝釈天は驚いて目を覚ました。

飛鳥百無聊賴地拍了拍翅膀,似乎是覺得帝釋天的自言自語過於無趣,終於轉身飛走。不一會就消失在了雲間,只留下一片潔白的羽毛飄落。帝釋天伸手接住那片羽毛,然而在觸及的瞬間,一段陌生卻又熟悉的回憶突然在他腦海中閃過——帝釋天驚醒過來。


【帝釈天】

「今のは一體?」

剛才那究竟是?


鬼域と天域の境目にある深淵の一角では、深淵の冷たい風が深淵の中から聲を運んでくる。風の中の聲は阿修羅という名前を繰り返している。

鬼域與天域交接的深淵邊緣,深淵之中的冷風帶來深淵中的聲音,風中反覆迴響的是一個叫阿修羅的名字。


【ヤマタノオロチ】八岐大蛇

「取引は失敗した。結局、帝釈天は負けただけではなく、約束を守るどころか、約束自體を忘れてしまった。本當に悲しいことだ。だがしかし、盛大な芝居を見ることができた。それに免じて許してやろう。それに彼には感謝しなければ。彼のおかげで、お前は私の願いどおりこの世に降臨した。破壊神……阿修羅。」

交易失敗了,帝釋天那傢伙到頭來不僅敗了,也沒有守約,還連和我的約定都忘記了,真是令人傷心。不過看在這場絢麗的表演上,就姑且原諒他一回。而且我還得感謝他一件事,那就是,他讓你如我所願地降臨於世了啊,破壞神——阿修羅。


……數ヶ月後、深淵の近く

——數月後,深淵附近


【帝釈天】

「私が王になってから、翼の団の皆と一緒に城を出るのは初めてだな……もうそんなに経ったのか?」

和翼之團大家一起出城,自我登基為帝以後還是第一次……竟然過去了這麼久嗎?


【翼の団の戦士甲】

「そうですよ、帝釈天様は王になられてから、いつも善見城にいらっしゃる!」

是啊,帝釋天大人自從當了王,就躲在善見城裡不出來了!


【翼の団の將校】

「今でも時々辺境の皆に聞かれますよ、帝釈天様はどうしていらっしゃらないのかって。」

邊境的大家現在還時不時會問,帝釋天大人怎麼不來了。


【帝釈天】

「こうして來たじゃないか。善見城のことが落ち著いたから、皆と共に辺境の新しく出來た町の様子を見に來た。」

我這不是來了嗎,好不容易善見城的事情也忙完了,和大家一起來看看邊境的新村鎮怎樣了。


【翼の団の戦士甲】

「心配いりません、帝釈天様が善見城に転任された後、すぐに辺境を建て直すお金や物資を調達できました。故郷を離れていた皆も、ほとんど帰ってきました。」

當然是好得很啊,當年大人去善見城赴任,重建邊境的錢和物資很快就撥下來了。背井離鄉的人,也很多都回來了。


【帝釈天】

「それなら一安心だ。」

那我就放心了。


【翼の団の戦士甲】

「帝釈天様、見てください!あの丘はかつて翼の団が食糧を運ぶ時、いつも通っていた場所ですよ!」

大人快看!這座山坡就是當年我們翼之團經常運送糧草的地方呀!


【翼の団の將校】

「そうだな。昔はよく夜に食糧を運んでいた。幸い鬼族に襲われたことは一度もなかったが、今思い返せば本當に運がよかった。」

是啊,當年經常夜裡行軍運糧,好在從沒有被鬼族伏擊過,現在想想真是太幸運了。


【帝釈天】

「あの時は薄気味悪い場所でしたが、今ではすっかり綺麗になりました。花がたくさん咲いていて、丘の上には小さな家まであります。これは……蓮池か?」

當年那麼陰森的地方,如今看起來卻這麼漂亮,到處盛開著鮮花,山坡上還有一棟小房子。這裡是……一處蓮池?


【翼の団の戦士甲】

「この蓮池がどうかしましたか、帝釈天様?」

這蓮池有什麼不對嗎,帝釋天大人?


【帝釈天】

「……何でもない、ただ蓮池があるなら、もしガチョウが數羽いれば、もっと活気あふれる光景になると思っただけだ。」

……沒什麼,只是覺得有蓮池的話,要是池水裡再有幾隻白鵝就更有生趣了。


【翼の団の將校】

「帝釈天様はガチョウがお好きなのですか?」

帝釋天大人居然會養鵝嗎?


【帝釈天】

「まさか!ガチョウはとても苦手だ、ただ友達の……友達の……?誰だ……?」

怎麼會!我和白鵝真是難以和睦相處,都是我的友人他……我的友人?他……?


その時、一行は突然襲われた。

就在這時,隊伍突然遭到了埋伏。


【翼の団の戦士甲】

「おそらく山賊だ!帝釈天様は傷がまだ治ってないから戦えない、早く帝釈天様を守れ!」

似乎是山賊!帝釋天大人重傷未愈不能迎戰,先保護帝釋天大人!


【帝釈天】

「こいつら……気配が変だな、鬼族に似ているが、全く生気がない。それに動きがぎこちない、普通の山賊ではなさそうだ。」

這些人……氣息十分奇怪,像是鬼族,卻又毫無生氣,動作僵硬,不像是普通的山賊。


【翼の団の將校】

「しまった!我々は人數が少ない、囲まれてしまった!」

大意了!我們帶的人手不夠,現在被包圍了!


【帝釈天】

「やめろ!ここの食糧、物資、私の命を狙っているなら、喜んで差し上げよう。だが私の仲間達には手を出すな!」

住手!這裡的糧草,物資,或是你們想要我的命,都儘管拿走,但請放過我同伴的性命!


【翼の団の將校】

「そんなこと仰らないでください!例えこの命にかえても、帝釈天様を見捨てることなんてできません!」

別說這種話!即使死在這裡,我們也是不會丟下帝釋天大人您的!


【翼の団の戦士甲】

「うわあああ、お前ら、逃げろ!」

唔啊啊啊啊,你們,快逃!


危ういところで、帝釈天がまだ回復していない霊神體を召喚した。しかし蓮花は出現してまもなく、すぐに切り裂かれてしまった。霊神體が直撃された痛みに苛まれ、帝釈天は地面に膝をついた。

情急之下,帝釋天召喚出了尚未恢復的精神體。然而蓮花剛剛顯現,就被一刀斬斷,靈神體被直擊的劇痛下,帝釋天跪倒在地。


【帝釈天】

「皆私を守るために死んでいる、どうしてよりによってこんな時だけ、私は何の役にも立てないんだ!私は戦わねばならない!」

保護我的人為我而死,為什麼偏偏在這個時候,我卻派不上一點用場!我必須迎戰!


【怪しげな鬼族甲】

「お前にできるのは、ここで死ぬことだけだ。」

你必須做的,是死在這裡。


【帝釈天】

「私が來ないことに気付けば、私を待つ人々がすぐに援軍を派遣する。あなた達は例え目標を達成できても、生きて帰ることはできない。」

目的地的人等不到我來,就會馬上派援兵來搜救,就算你們得手,也無法活著離開。


【怪しげな鬼族甲】

「援軍が來る前に、お前は死ぬ。」

援兵,你等不到了。


その時、遠くから鬼族の悲鳴が聞こえた。

然而就在這時,不遠處響起了鬼族的慘叫聲。


【怪しげな鬼族乙】

「ぐああああ!」

啊啊啊啊啊!


漆黒の人影が空から舞い降り、鬼族を一人、また一人と切り刻んだ。彼は帝釈天に向かって突進してきた。途中にバラバラになった死體とたくさんの悲鳴を殘して。

一個漆黑的身影從天而降,將鬼族一個又一個撕成碎片。他一路朝著帝釋天的方向殺了過來,一路上肢體橫飛,慘叫聲此起彼伏。


【帝釈天】

「援軍か……?よかった。」

是援兵……?太好了。


帝釈天の目の前にいる鬼族は逃げる様子もなく、ただ急いで手に持つ石槌を高く掲げ、帝釈天を狙って振り下ろした。一本の真っ赤な觸手が後ろから彼の體を貫いた。噴き出した鮮血が帝釈天の顔を赤く染める。一部が欠けた死體は橫に捨てられた。その後ろにいる漆黒の、血に染まった人影が現れる。帝釈天は目を見張り、目の前にいる彼を見つめる……

擋在帝釋天面前的鬼族卻絲毫不知逃命,反而急忙舉起了手中的石錘,朝著帝釋天就砸了下來。一隻猩紅的觸手從他的身後穿透了他,血濺了帝釋天一臉。殘破的身體被隨意地丟在了一邊,顯現出他身後漆黑,染血的身影。帝釋天睜大了眼睛看著眼前的人——


【帝釈天】

「あなたは……」

你是……


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天域の千年戦爭は終わりを告げたが、彼らの物語はまだ始まったばかりだ……

天域的千年戰爭已經終結,但他們的故事才剛剛開始……


……天域篇·天魔の帰還·完

——天域篇之天魔歸來·完