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リニューアルされた CMS では、専用 GUI を通してのコンテンツ入力と、新聞製作システムとの連攜によるコンテンツ入力の2つの入力が可能となっています。形式の異なる入力データはデータを解析し共通のデータ形式として Amazon Aurora に登録されます。新聞製作システムからの入力は、データが Amazon S3 に転送されたことを契機に、Amazon SQS へ登録処理の指示キューをエントリーすることで、自動で登録処理が起動しデータを解析したのち、Amazon Aurora への登録が行われています。Amazon Aurora へのデータ登録を行った各処理は、Amazon SQS へ後続処理の指示キューをエントリーすることで、畫像ファイルのリサイズ処理を行い、Amazon S3 へ配置、検索エンジンへのデータ登録処理が自動に行われる仕組みとなっています。こうして蓄積されたデータから動的にコンテンツが構成され、ユーザーへ配信されます。寫真や動畫などは Amazon CloudFront を通じて配信され、Amazon ElastiCache で記事の表示レスポンスを確保しています。この CMS の仕組みを Amazon VPC を使いプライベートネットワークで運用し、Amazon CloudWatch を用いた效能監視も行うことで、セキュアで安定した運用を実現しています。
また、デジタルメディア局では AWS の拡張性も高く評価しています。ソーシャルネットワークなどで影響力のある人がニュースを話題にすると、場合によってはサイトへのアクセスが通常の 10 倍程度まで急増することもありますが、そういった予測できない負荷上昇にも Auto Scaling を活用することで柔軟に対応できています。もちろんプログラムの最適化を常に継続して行っており、AWS の機能を適切に活用しながら效能向上を図っています。
今回の CMS のリニューアルでは、キューの活用が 1 つの鍵となっています。「最初の構想で、中心にキューを置こうと考えました。Amazon SQS を活用することで処理スピードを適切に調整でき、疎結合で機能の追加が容易な仕組みになっています。」(森氏)
2016 年 7 月には、短縮 URL の管理機能が CMS に追加されました。これには Amazon DynamoDB が用いられ、AWS Lambda と Amazon API Gateway を組み合わせたサーバーレス構成で構築されています。
デジタルメディア局では CMS のリニューアルを機に、これまで外部に委託してきたシステムの開発・運用の內製化を実現しました。「これまでも AWS を採用したシステムでは內製で開発してきましたが、CMS のような大規模なシステムは SI 企業に開発・運用を委託していました。しかし、このままでは自分たちの技術力が低下し、SI 企業の提案が正しいかどうかの判斷もままならなくなるとの危機感がありました。」(楢本氏)
さらに SI 企業に依存することでコスト削減や業務の効率化、小回りがきいた迅速な対応が困難であることも課題となっていました。これらを解決するためにもシステムの內製化が必要でしたが、AWS を匯入したことで內製化も実現することができました。AWS によりインフラの拡張性、柔軟性が容易に得られるため、社內ではメンバーはサービスを作ることに集中することができます。また、「インフラのランニングコストもオンプレミスの 5 割程度まで削減することができました。內製化を進めたことでエンジニアが効率化を意識するようになり、そういった點も結果的なコスト削減につながっていると考えています。」(森氏)
AWS の匯入と內製化による効率化で、新機能の追加や修正のスピードは著しく向上しました。以前なら修正や機能追加などは簡単なものでも 2 週間ほどの時間が必要でしたが、今では開発からテスト、検証、関係者による確認といった一連の作業を、早ければ數時間で完了することが可能となっています。「迅速な対応ができるので、現場からはポジティブな要望がたくさん上がるようになりました。」(神谷氏)
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